ハイズビル事件

ハイズビル事件のイメージ

、ニューヨーク州のハイズビル(ハイデズビル)という村で近代心霊研究の端緒となった出来事がありました。それが俗に言われるハイズビル事件です。

にハイズビル村へ引っ越してきたフォックス家の屋内で、突如としてラップ現象(物理的心霊現象の一種。霊の出現に先立って物が鳴る音や木が裂けるような音が響き渡ること)が起き始めたのです。やがて、ラップ音は同家に住む姉妹(フォックス姉妹)と交信するようになりました。次女のケイトと三女のマーガレットが指を鳴らすと、それに応えるようにラップ音が鳴り、YES or NOの質問形式で、ラップ音を鳴らしている主が家に住み着いた霊であることが分かったのです。

ラップ現象を引き起こしていたのは、フォックス家が引っ越してくる数年前にこの家で殺された行商人の霊でした。

霊と通信できる姉妹がいるという噂はすぐに村中に広がり、連日、多くの見物人や心霊研究家、大学機関の学術関係者などがこの家に押しかけるようになりました。やがてその噂は新聞記事などでも取り上げられ、この事件はアメリカのみならずヨーロッパにまで知られるようになったのです。

その後、フォックス姉妹の次女と三女はプロの霊媒として活動を開始し、交霊会を初めとする様々なパフォーマンスで人々の関心を集めました。しかし、にバッファロー薬科大学が「音の正体は、足首や膝の関節を鳴らしていたものであった」とする調査結果を発表し、さらに姉妹自身も種々の事情で自作自演であったことを認めたことから、一時は金目当ての詐術であったという見方が大方を占めるようになりました。

ただし、マーガレット自身は一年半後に「自作自演説」を自ら否定、問題の家屋ではフォックス家が引っ越した後もラップ現象は続き、さらにに家屋の地下から実際に行商人のものと思われる人骨とトランクが発見されるにおよび、この事件は本当に霊によって引き起こされたものであると確信する心霊研究家が再び数を増しました。

ちなみに『シルバーバーチの霊訓』で知られる有名なチャネリング霊・シルバーバーチによれば、ハイズビル事件は霊界の扉を地上に開くために高級霊界が計画したものであり、高級霊インペレーターは霊媒をの口を通して、「今夜は大勢の霊が活発に動いております。本日が記念すべき日であるからにほかなりません。皆さんが近代スピリチュアリズムと呼んでいるものが勃興した当初、高級界より強力な影響力が地上へ差し向けられ、霊媒現象が開発されました。かくして地縛的状態にあった霊を解放し、新たな生活へ甦らせるための掛け橋が設けられました。そのことを記念してわれわれはこの日を祝うのです」という言葉を残しています。