縁切り祈願

縁切り祈願のイメージ

縁切り祈願とは一般的に、悪縁を切り新しい縁を引き寄せることを指します。縁切りと聞けば、異性との関係を断ち切るということをイメージしがちですが、霊能者が行う縁切り祈願では次のような事柄との縁を切る事もできるのです。

  • ギャンブル、賭け事
  • 借金などの金銭トラブル
  • 酒やたばこ
  • 暴力行為(DVなど)をしてしまう心
  • 面倒な近所付き合いや職場の人間関係
  • 心霊現象(霊や悪い因縁)
  • 病気

これらの他にも、物欲や食欲など人間の欲求との縁を切ったり、事故や災難といった悪運との縁を切ったりということも可能です。また、自分の性格や考え方などに自信が持てず、新しい自分に生まれ変わりたいという意味で縁切りをしたいという相談も、昨今は増加傾向にあります。このように人間関係以外にも、様々な悪縁やしがらみがあって、それに悩まされている人が藁にもすがる思いで縁切り祈願を受けているのです。

縁切りは、神様や縁切りを守護している高い位の霊体、霊能者などに祈願することで、悪縁やしがらみから早く解放されます。縁切り祈願は元々、江戸時代頃から始まったものと言われていて、その当時は無理矢理結婚させられたことによって不満を抱えたり、離婚したいと感じていた女性達がお寺に相談する、つまり“駆け込み寺”になっていたことに始まります。今でも残る“縁切り寺”と称されるお寺で、3年間尼僧としての修業をすることで離婚できる、つまり「縁が切れる」という考え方が生まれたそうです。

では駆け込み寺で尼僧として修行するのと同時に行われる縁切り祈願とは、いったいどのようなものだったのでしょうか。実は統一された形式はなくて、お寺によってその祈願方法が異なっていたとされています。例えば、次のような縁切り祈願の方法があったそうです。

  • 縁切り護摩木を書き、護摩の火に投じて祈願する方法
  • 住職に縁切りしたい人物を伝え、読経により祈願してもらう方法
  • 複数の祈願者と一緒に、合同祈願で縁切りをする方法

現代の縁切り祈願で有名な京都市の安井金毘羅宮では、高さ1.5m・幅3mもの絵馬の形をした「縁切り縁結びの碑巨石」と呼ばれる碑があります。その中央には丸い穴が開いており、この穴は「神様のお力が注がれている」と言われていて、御本殿を参拝したときに形代(身代わりのお札)に願い事を書き、その形代を持って穴を往復し、最後に形代を碑に貼りつけるという祈願方法となっています。

寺社によっては、祈願終了後にお守りやお札を頂くこともあります。肌身離さず持ち歩いたり、財布やカバンなどに入れて自分の分身のように扱ったりすることで、より願いが叶いやすいと言われています。お札を授与された場合は、家の中でよく目につく高い場所に貼りつけると効果を高めることができるとされています。また願いが叶って悪縁が切れたときには、お守りやお札を寺社に返納します。寺社の方でお焚き上げを行ってくれるので、その後は二度と悪縁に悩まされることはありません。もっと言えば、最近は縁切り祈願をしたいけれど諸事情によって祈願に同席できない人のために、特別の祈願方法を設けているところもありますので調べてみると良いでしょう。このように現代では、祈願方法も大きく多様化してきているようです。

また、縁切りを霊能者や霊感占い師に依頼する方法も存在します。霊能者に縁切りしたい相手に念を送り、必然的に引き離す方法や、相談者の運気を向上させて悪運を取り除く方法などがあります。いずれにしても悪縁を断ち切り、良縁をつかめるように導いてくれるということなので、祈願する気持ちを大切にして、自分自身でも努力する姿勢を持つ必要があります。祈願すればすべてが叶うという訳ではなく、強い意志を持ち、しっかりと祈願することによって後押しされるということです。

あくまでも“縁切り”なので、縁を切りたい相手に障りがあったり、不幸が訪れたりするというものではありません。相手を呪ったり恨んだりする祈願は受け付けていないところがほとんどなので、腐れ縁、悪縁を絶つということだけに特化した祈願でもあります。また、縁切り祈願をしてすぐに効果があるというものでもありません。少しずつ未来が切り開けていくものです。即効性がないからとすぐに諦めてしまううちは、縁切り祈願の効果を実感することは困難でしょう。