霊符

霊符とは

霊符のイメージ

人は願い事がある時、自分自身が精進し努力するのに加えて、目に見えない力の助けを求めることがあります。その助けを求める相手が神仏である場合に捧げるのが祈りであり、その祈りの対象となり願いを実現させる力を増幅させるために存在するのが霊符です。

一般的に、霊的な力の持ち主によって、神仏の力を符の中に移し込めたものを霊符と呼びます。願い事を叶えるために神仏のもとへ出向いて祈りを捧げる方法とは違い、神仏の力を移した霊符を身近に所有することで、守護や力添えを受けることができます。霊符は自分自身で書くこともできますが、なんの力も霊感もない人が作成するよりは、神仏に近く正しい霊符の修法を心得ている人の手によるものの方が、当然ながら効果が高いとされます。

霊符の種類

霊符は他に、「護符・呪符・秘符」などとも呼ばれます。また時にはもっと身近な呼び方である「お札」でも通じることがあります。その種類は数千ともいわれ、共通のものもあれば、宗派ごと寺社ごとに独自のものも存在しています。まさに、人の願いの数だけ霊符の種類も存在しているといえるでしょう。例として、よく知られているものでは、「必勝符」や[健康符」、「絶縁符」や「破魔(邪)符」などが挙げられます。勝ちたい、健やかでいたい、縁を切りたい、魔除け効果を期待したいといった内容です。また霊符のデザインは、文字を使用したもの、絵を使用したもの、サインなどの図形を使用したもの、それらを組み合わせたものなどがあり様々です。

霊符の効果とは

霊符は、悩み事を解決に導き、精神的な安定をもたらし、夢を実現するといった様々な願望を神仏へと届ける働きをします。本人の願いと霊符の力とが合わさり、結果として、願いがより早く叶う方向へとつながります。ただし、この願望が自分自身を高めることであり、そのためにほかの人を苦しめたり貶めたりすることがない場合と、願望の内容が呪いである場合では効果の発現が異なります。前者の場合には、霊符を正しく大切に扱い、祈りを捧げることで願いへと近づくことができますが、後者の場合には、その願いが成就するにあたって反作用である呪い返しを受けることもあります。大きな効果を求めればそれだけ求められる祈りもそして反作用も大きくなることを知り、それに見合った心の準備が必要です。また、一般的に霊符の効果は、長くとも1年といわれています。1年という期間、または願いを叶えるという役目を終えた霊符には、感謝の祈りを捧げ、清めて焼却しましょう。

霊符の使用方法

身に着ける、必要な場所に貼り付ける、大切にしまっておく、口に含むといった使用方法があります。これらに共通しているのは、人の目を避けている点です。霊符の存在は「信じられる」ことによってより強い意義を持ちます。多くの人の目にさらされれば、それだけ「信じられない」視線を受ける可能性が増えてしまうのです。そして当然ですが、持ち主が「信じられない」と思いながら所有している場合には、一定の効果はあっても、本来の霊符が持つ力を十分に発揮することは期待できません。

ただ所有しているだけでも一定の効果が出る可能性はあります。ただし、本来期待される効果を発揮するには、霊符が求める取扱いをする必要があります。霊符を記す者が精進潔斎を行ったかどうか、清められた道具を用いたかどうか、持ち主に手渡されるまでにほかの人や物の気の影響を受けていないか、正しい場所に正しい形で供えているかなどによって、霊符が力を十分に発揮できるかどうかが変わってくるのです。霊符の取り扱い方法は、宗派や霊符に記される内容によっても異なります。霊符を授けてくれる方の教えを正しく守るようにしましょう。

霊符は人の願いを叶える助けとなってくれます。ただ、それは常に必ず叶えてくれるというものではありません。その願いが身の丈に合ったものであるかどうか、正しい修法に則ったものかどうか、そして霊符の持ち主が霊符の力を信じ、祈りと感謝の気持ちを持ち続けているかどうかなどで、その恩恵を受けられるかどうか、どれだけ受けられるかが異なってきます。いかに強力な霊符であっても、本人の願いを叶えたいという意思に基づく努力や真摯な気持ちがそこになければ、その効果を十分に発揮することはできません。だからこそ、霊符を手に入れる際には、まず自分の求める願いとそのための覚悟を心の内でしっかりと固めてから臨むことが大切です。