ホリスティック医学

ホリスティック医学とは

ホリスティック医学のイメージ

ホリスティック医学とは、一種の医療哲学のことです。医療に対する考え方ということです。これは西洋医学など問わず、垣根を超えた考え方です。「ホリスティック」の意味は、「全体的な・包括的な」で、健康や医療に対して形容される場合、身体や心だけでなく、目に見えない霊性も含んだ、全体的な存在として人間を捉えた健康・医療を指します。

通常、病院で治療を受けると、「病気が治ったらそれでおしまい」というのが当たり前ですが、ホリスティック医学はそれにとどまらないのです。病気が治ることではなく、生活の質(QOL)を高い状態にキープすること、そして向上することを目指しています。また、ホリスティック医学の哲学の中には、「人間には自然治癒力が備わっている」ことが前提としてあります。病気になるということは、その自然治癒力が何らかの原因で滞っているため、本来の自然治癒力を取り戻すために、最適な方法をとるのがこのホリスティック医学の考え方です。そして、医師が主導ではなく、患者自らが自分で自分を癒す力をサポートするという考え方があります。

ホリスティック医学にとっての病気・老化・死

ホリスティック医学では、本来の体や心の健康だけでなく、「霊性」についても取り上げます。ホリスティック医学の定義には、「病の深い意味に気づき自己実現をめざす」というものもあります。

従来の医学では、病気や老化、死は否定的な意味合いでしかありませんでした。しかし、それらを単に否定的にとらえないのがホリスティック医学です。例えば、病気になったら、その原因を振り返り、自分の生活習慣はもちろん、社会や環境も原因となっていることに気づくことができます。そして、社会全体、そして人類、地球全体の問題として広げることもできます。このように、否定的な病気・老化・死をいかにとらえ、どのように人生に活かしていくかを考えることで、人生の大きな転機とすることもできます。このように、ホリスティック医学にとっての病気・老化・死は、結果的にマイナスにはしないというところがあるようです。

霊的身体という定義

ところで、このホリスティック医学は、まだまだ日本においても主流になっている状況ではありません。特に「霊性」や「霊的身体」という言葉を医学の定義に持ち込むだけで、突き放す人すらいます。この霊的身体という哲学は、まだまだ万人に受け入れられることではないようです。では、そもそも霊的身体とは何でしょうか。それが明確に定義づけられるのであれば、今頃ホリスティック医学が主流になっていたかもしれません。

世界的に見た場合、スピリチュアルな定義では、目に見えない「霊体」という身体が肉体以外に存在するとされています。それは、いってみれば人間の本質であり、肉体はこの世で生きるための乗り物であるという考え方です。そして、肉体が滅びた後の霊界においては、この霊体が今度は乗り物の役割を果たすといわれています。霊はかたちがないため、霊能者にも見えませんが、霊体ははっきりと形があり、見えるのだといわれています。

霊体のエネルギーを補給するということ

ところで、肉体が食べ物や水、太陽などを生きるエネルギーとして必要とするように、霊体にもエネルギーが必要になります。霊的なエネルギーは、宇宙から霊を介して霊体へと取り入れるしくみになっています。霊体へと流れ込んだ霊的なエネルギーは、肉体にも流れ込み、活性化します。肉体に流れ込む経路がチャクラと呼ばれるものなのです。このチャクラからの霊的なエネルギー供給が滞ってしまうと、肉体も不健康になり、やがて病気が生じるといわれています。

チャクラから霊的エネルギーの状態を予想する

霊的エネルギーが肉体にきちんと供給されているのでしょうか。それを知るポイントは、身体にあるチャクラにあります。チャクラは、人間の身体に7つ備わっています。チャクラが見えるが見ると、それぞれのチャクラがきちんと正常な状態であれば、くるくる回っているように見えるのだといいます。しかし、それぞれの霊的エネルギーがきちんと供給されていないと、心身共に異常が起こってきます。どのような状態になるのかを確認しておきましょう。

第1チャクラ

尾てい骨にある第1チャクラに霊的エネルギーがきちんと供給されないと、地に足がついていない感覚が現れます。他人の意見に逐一反応し、他人に依存して生きることになってしまいます。また、肉体の根本的なエネルギーが得られず、意味もなく大きな不安にとらわれてしまいます。そして自分は生きる価値がない、お金をもらう価値のない、幸せを手に入れる資格のない人間だと思ってしまうのです。生活の中で、物質的に得るものはとことん得て生活することこそ、あなたに不足していることです。

第2チャクラ

仙骨のあたりにある第2チャクラに霊的エネルギーがきちんと供給されないと、罪悪感が大きくなり、自分に必要以上に厳しくなります。情熱的な感情、性的な意欲といった生命力を司るのがこの第2チャクラだからです。また、無理に感情を抑えこもうとしてしまうと、この第2のチャクラがトラブルを起こします。感受性、生きる喜びをここで感じることができます。もし腸や生殖器に異常が起こっている場合、この第2チャクラが崩れている可能性があります。素直にものごとを楽しめない場合も同様です。

第3チャクラ

みぞおちの部分に相当する第3チャクラは、感情・理性を司る部分です。ここは喜怒哀楽・自己表現に関わる場所で、エネルギーの循環がよい状態だと、自信に満ちた自分になることができます。エネルギーの循環が滞ってしまうと、自信を失くし、受け身になって人から「やらされてる感」が出てきてしまいます。そしてあなたは人生が楽しくなくなってしまうでしょう。不幸を感じることも多くなります。感情面で不調が起こるため、うつ状態になることもあります。

第4チャクラ

胸の中央辺りに位置するこの第4チャクラは、愛に関係しています。活性化されていると、自分と他人へとたっぷりと愛を注ぐことができるようになります。この第4チャクラに霊的エネルギーがきちんと循環していないと、自分にも他人にも愛を注ぐことができなくなり、人間関係が不得手に感じ、どんどん自分の殻に収まってしまいます。そして孤独を好むようになってしまいます。自分は愛を受ける資格はないと感じてしまうこともあります。また、心臓に支障が起こることがあります。

第5チャクラ

喉ぼとけの下あたりにある第5チャクラは、表現力、コミュニケーションを表します。エネルギーの供給がしっかりとされていると、正直に自分の意見を言うことができ、言葉によるコミュニケーションを活性化させることができます。一方、霊的エネルギーが滞ってしまうと、自己表現がうまくできなくなってきます。

第6チャクラ

第6チャクラの眉間にあるチャクラで、霊的エネルギーがきちんと循環していると、直感が冴え渡ります。集中力が高まり、カリスマ性も出てきます。しかし、この第6チャクラにひとたび霊的エネルギーが滞ると、集中力の低下から、被害妄想に陥ることもあります。また、第6チャクラは直感を意味するため、ここがエネルギー不足になると、直感や非物質的なものを遠ざけようとする傾向が出てきます。頭痛や眼精疲労などが起こってきます。また、ビジョンが狭く、自分の中の目標も低くなります。

第7チャクラ

第7チャクラは、頭頂部分に位置します。この第7チャクラは、霊性を意味します。このチャクラは、唯一バランスが崩れるということはなく、1から6までのチャクラがすべてエネルギーが循環していると、自然と開くといわれています。霊性が高い状態、つまりすべてを超越した高い精神の持ち主で、慈愛に満ちて優しい完成された人間です。しかしこの第7チャクラが開いていないと、正しい決意ができず、自分自身をうまくこの世で活かすことができません。

心身・霊体の健康とはどのような状態かを考える

病院に行っても一向に不調の原因がつかめず、どんどん体調が悪化していくといったことは多くあります。その場合、自分自身の健康の定義を見直してみるといいでしょう。もともとは霊体に不調が起こっていると考えられます。身体に不調が起これば、多くの場合、生活習慣を見直すことが大切です。しかし霊的なエネルギーに不調が起こっている場合もあるため、単純に西洋医学では解決できないこともあるのです。その場合には、ホリスティック医学の考え方が参考になります。霊性も含めて人間ととらえることで、病気や不調を人生の転機ととらえる生産的な考え方を持つこともできるでしょう。

今回ご紹介したホリスティック医学の考え方を参考に、今ある不調の原因がどのようなものであるか、探ってみるのもいいのではないでしょうか。もちろん、基本的なことだけの解説となっていますので、興味が湧いた場合には、ご自身で調べてみるといいでしょう。