バミューダトライアングル

魔の三角海域

バミューダトライアングルのイメージ

バミューダトライアングルとは、アメリカ合衆国・フロリダ半島の先端と、大西洋に位置するプエルトリコ、そしてバミューダ諸島を線で結ぶとできる三角形の海域のことを指します。昔から多くの船舶や飛行機、あるいは乗組員だけが何の痕跡も残さず消えてしまうことから、「魔の三角海域(三角地帯)」「北大西洋の墓場」とも呼ばれます。船や飛行機が消息を絶つ直前にはコンパスなどの計器に異常が見られるほか、バミューダトライアングル周辺では不思議な光が出現したという目撃情報も多数寄せられていると言います。

その存在が広まったきっかけ

バミューダトライアングルの存在を世に知らしめたのは、1945年に起きた「フライト19」事件だと言われています。1945年12月5日、フロリダから飛び立った米海軍機5機が突如消息を絶ち、27名の乗組員と機体ごと行方不明になったのです。その後、歴史家らによる調査が進められると、20世紀中におよそ300もの船舶と飛行機が行方不明になっていたことが発覚。地磁気の異常とする説から、宇宙人による誘拐説に至るまで、様々な憶測が飛び交いました。

また、1974年にはアメリカ人作家・チャールズ・ベルリッツが『謎のバミューダ海域(The Bermuda Triangle)』を出版。この書籍は世界20ヶ国以上で翻訳され、500万部以上の大ベストセラーとなりました。その後、各国の雑誌やテレビでも多数取り上げられたり、映画の題材として取り扱われたことにより、超常現象やオカルト好きにとどまらず、世界中の人々にその名が知られるようになったのです。

船や飛行機が消息を絶つ理由

バミューダ海峡の広さはおよそ17万平方キロメートル、気象が激しく、多くのハリケーンが発生する場所です。海が荒れた場合、その波の高さは約15メートル、風速は80メートルまでに達すると言われています。「猛烈な台風」と言われる台風の風速が50メートルですから、その威力は計り知れないでしょう。

こうした海域の特徴も含め、多くの研究者たちがバミューダトライアングルで起きている現象について検証を進めてきました。中でも最も有力とされているのは「メタンハイドレート説」です。バミューダ海域でメタンという自然界に存在する無臭のガスが発生。船舶はメタンガスが海中爆発を起きたことにより沈没し、飛行機はメタンガスをエンジンが吸い込み、不完全燃焼を起こすことにより墜落してしまうというものです。しかし、船体だけを残し乗客だけが忽然と姿を消した事件など、バミューダトライアングルに潜む魔物についてはまだ説明がつかない謎が多く残されています。