予言者

予言者のイメージ

以前、予言についての原稿を書かせていただきました。その続きと言いますか、補足も兼ねて予言者について今回はご紹介したいと思います。

世の中のあらゆる事象は、実際に起こるまで誰も知ることはできません。未来は本来、誰にも見通せないはずのものだからです。ところが世の中には、事象が起こる前にそれを知ることのできる人が存在しています。それが「予言者」という存在なのです。

そもそも予言とは

予言とは、未来に起こることを「予め」「言い」当てることを指します。例えば、適当に「明日は晴れると思うよ」と予想することは誰にもできますが、何らかの確信を持って「明日は晴れる!」と予言することはできません。未来は予想こそできても、予言することは難しいのです。夕焼けの色、空気の匂い、衛星が送ってくる天気図などをもとにしたとしても、それはあくまで「天気予報」という予想ではあっても予言ではないのです。では、予言の根拠は何なのかと探っていくと、神秘的な能力や現象にあることが分かります。占星術・タロットカード・霊感などのスピリチュアルな想起によって、未来に起こる事象を言い当てることが「予言」であり、そこには、合理的・科学的な理由は存在しません。

有名な予言と予言者(世界)

予言を行う人を、「予言者」と呼びます。世界的に有名なノストラダムスは、元々はルネサンス期16世紀のフランスで活躍した医師であり占星術師でもあった人物です。当時は、占星術師としてフランス王室にも影響力を持つほどだったといいます。この名前は、「ノストラダムスの大予言」と呼ばれる書籍によって、現代に至っても予言者を代表する存在として知られています。ノストラダムスは、翌1年分の暦に占星術的な予言を含めた「暦書」を作成した後、より遠い未来まで予言する形で予言集を執筆しました。その記述が詩の形式であり非常に難解であることから、予言内容も読み手や解読法によって異なって受け取ることができます。中でも、世界が滅亡するとされた予言が有名です。世界に終末が訪れるとされたのは、

有名な予言と予言者(日本)

一方日本では、高島嘉右衛門が予言者として知られています。易経を学び、それによって江戸時代に起きた「安政の大地震」を予言したとされますが、予言をもとに大量の木材を震災に先立って買収したことでひと財産を築くなど、実業家としての面でも優れていたようです。彼にとって易経は「売らない=占い」であり、政府高官や海外要人の相談役を受けたり、重要人物の死期を予言したりはしているものの、彼自身は実業家として成功しており、易経家としての活動は本業とは考えていなかったといわれています。現在、高島易断と呼ばれる易の形態も、高島嘉右衛門が認めた直系はほとんどないそうです。

予言者を分類する

自称・他称問わず予言者と名乗る人は、それぞれに予言する上でスピリチュアルななんらかの方法や手段を利用しています。それは先に述べたように、占星術・手相占い・易経・タロット占い・霊感などであり、預言者はすなわち占い師であり、卜者であり、予知能力者でもあるのです。しかし、だからといって、占い師や卜者のすべてが予言者であるわけでもありません。

「事後予言」と「自己成就予言」

予言は本来事象が起こる前に予め見通しているものですが、ある出来事が起こった後に「実は事前に見通していた」と発言する例もあります。なんだかただの後出しじゃんけんのようですが、れっきとした「事後予言」との用語があります。また、予めしていたのはあやふやな発言や記述であり、事後にその解釈を起こった事象に結び付けることも事後予言の一つとされています。

ほかにも、錯覚や努力といった方法で、予言内容を自力で成就させるように導くことを「自己成就予言」といい、予言者か予言を受けた者が予言内容を成就させるよう行動したり努力したりするほか、予言内容を当たる・当たっていると思い込む・思い込ませることで、あいまいな出来事を予言内容そのものだと自己解釈することもこれに含まれます。

予言者と預言者の違い

よく予言者と混同されたり比較される存在として、預言者があります。漢字そのものも同じ部首を持ち、良く似ていることから同じものだと考えている人も多いようです。ところが、予言の「予」は予め(あらかじめ)という意味を持ち、物事が起こる前を指しています。対する預言者の「預」は預けるという意味です。このことから、予言者はこれから起こることを予め見通して言葉にする人のことであり、預言者は神やそれに相応する人の言葉を預かって人々へと伝える役割を持つ伝達人を指します。一人の人物が予言者であり預言者でもあることは稀に起こりえますが、予言者=預言者ではありません。

予言の的中率は必ずしも100%ではありませんが、的中率が高くなければ予言者として世の中で認められません。また、その表現はあやふやなものも多く、解釈次第でいろいろに受け取ることができるのも確かです。それでも、未来の事象をそれが起こる前に言い当てるという予言者の存在にも、予言者自身やその背景の思惑や予言を受ける側の思い込みなどから離れた、純粋にスピリチュアルなところから導き出された予言にも不思議な力が備わっています。古代の予言者たちの言葉を読み解くと、数百年・数千年前の予言が現在やさらに未来を予言していることもあります。また、今この瞬間に予言されていることが、数百年・数千年の先に現実となるかもしれないのです。