瞑想

瞑想とは

瞑想のイメージ

瞑想とは心を落ちつけ、雑念を払いその心を無にしたり、または逆に心を何かに集中させたり、祈りを捧げたりすることを言います。心を静かにすることを目的とした日常的なものから、「神」を感じることや「悟り」を得ることを目的とした非日常的なものまで、言葉としては広い範囲のものを差します。しかしその中で共通するのは、『落ちつける場所でリラックスした姿勢をとり、静かに心の中に浮かんでくるものを見つめる』ということで、これが瞑想の基本となります。

伝統的な「瞑想」

今では「瞑想」という言葉も随分世間に浸透し気軽に行う人も増えていますが、前述の非日常的な、本来の「瞑想」は宗教と縁深いもので、特に仏教の中では重要視されています。仏教の始祖であるブッダ(釈迦)は、元々インドで行われていた瞑想の技法(ヨーガ)により究極の智慧を得て、その瞑想方法を体系化させることにより「瞑想」を発展させました。また仏教以外に、キリスト教やイスラム教、ヒンドゥー教などにも瞑想はあり、それぞれ目的や方法が異なりますが、宗教の中で行われる瞑想は対象が「神」であったり、「悟り」や「解脱」であったりと、様々ながら最終的に到達すべき対象が存在しています。

現代の「瞑想」

発祥は宗教や宗派にありますが、そことは離れたところに、思想に囚われない「瞑想」があります。こういった瞑想の目的は、集中力・行動力を高めることにあり、日常的に役立つ瞑想として、とても手軽に行うことができます。

自身の能力を高めるため、スティーブ・ジョブズやイチローなどの著名人も日常的な瞑想を行っており、今ではその効果も科学的に証明されるようになってきました。集中力や行動力を必要としていない人にとっても、瞑想はストレスを軽減させ、良質な眠りを与えてくれるので、健康に良いとされています。「瞑想」というと、今はこちらのイメージの方が強くなってきています。

瞑想のメリット・デメリット

メリット

ストレスが減り、よく眠れるようになる
リラックスした状態になり、副交感神経が優位に働くので、疲れた心や体に癒しの効果があります。また、質の良い眠りをもたらしてくれるようにもなります。
集中力が高まる
瞑想に必要な呼吸への集中や、雑念を払っていくことを通じて、集中力が高まるようになります。
落ち込みにくくなり、ポジティブな思考回路になる
瞑想によりネガティブな感情自体が少なくなることに加え、そういった感情のコントロールも上手くなり、落ち込みにくくなります。また気分の回復も早くなり、ポジティブな思考が増えます。
老化を防ぐ
人の老化に関わるとされる物質「テロメア」に影響を与え、老化を予防していることが科学的に証明されています。

デメリット

心の深層部まで行きすぎると、精神を病んでしまう
心理的な治療を目的で瞑想する際にみられるケースですが、心の深いところまで行きすぎてしまい、逆に自らの傷に触れ精神を病んでしまうことがあります。
幻覚を見たり、良からぬものを呼び込んでしまう
瞑想にスピリチュアル的なものを求め、神秘体験を期待するあまり、非現実的な幻覚を見るようになったり、良くないものを引きつけ取り込んでしまうことがあります。
マインドコントロールされる恐れがある
マインドコントロールされる恐れがあります。セミナーなどでお金が絡む際には、特に注意しなければなりません。

瞑想のやり方

瞑想をするのに必要なものは多くありません。自分自身とリラックスできる環境があれば十分です。以下が大まかな手順になります。

  1. 落ちつける、静かな場所で自分が楽な姿勢を取る。
  2. 目は開いていても閉じていてもいいですが、ゆっくり呼吸します。この時、心を静かにするために自分の呼吸に集中するようにしてください。
  3. それでも、心の中には雑念や色々なイメージが浮かんで来るでしょう。大事なのは浮かんできたものを少し離れた場所から見て、あるがままを受け止め、そのまま流すことです。浮かんでくる雑念に囚われてはいけません。
  4. そうやって暫くの間浮かんでくるものを流し続けていきます。
  5. 瞑想自体は5分、10分の短い時間でもいいので、できるだけ毎日続けます。

少し拍子抜けするくらい、瞑想は簡単です。ですが続けて行くと次第に頭がすっきりするようになり、自分が変わっていることを実感できるようになるでしょう。瞑想のコツは、浮かんできた雑念により心が揺らいだとしても、その揺らぎすら流して行くことです。例えば、その日自分がした失敗を思い出し落ち込んだ気持ちを思い出したとしても、その落ち込みすら「今日自分は落ち込んだなあ」と客観的事実として捉え、それで終わらせることにあります。また、万が一不思議な、幻覚に近いものを見たとしても、特別に何かを思うのではなく、スルーするようにしてください。