ウィジャボード
ウィジャボードとは
ウィジャボード(Ouija board)とは、心霊術を扱う娯楽要素も含んだ文字盤のことを指します。日本では、「こっくりさん」と呼ばれて広く知られています。一般的に文字盤には、アルファベットに加えて、YES・NO・HELLO・GOODBYEの選択肢と、0~9の数字が描かれています。HELLOとGOODBYEは、霊に問いかける降霊の際に霊の入口と出口の役割を持っています。元々このウィジャボードは、にパーカー・ブラザーズというアメリカのおもちゃメーカーが発売した占い用のボードであり、現在も発売が続いています。なお、「ウィジャ」というのは造語であって、アメリカのおもちゃメーカーが製造しているにもかかわらず、フランス語のYESにあたる「Oui(ウイ)」とドイツ語のYESにあたる「Ja(ヤー)」がミックスされています。ウィジャボードの歴史を遡ると、15世紀頃から存在するとされています。その当時はこういった降霊の占いは「テーブル・ターニング」と呼ばれていて、それが現在のウィジャボード(こっくりさん)の前身になっていると言われています。かのレオナルド・ダ・ヴィンチの書物にも、このテーブル・ターニングは記されているほどです。
ウィジャボードの使い方
ウィジャボードの使い方は、基本的にテーブル・ターニングの時代から大きな変化はありません。前身であるテーブル・ターニングは、数人がテーブルを囲んで手をテーブルに乗せます。次にテーブルを囲んだ人々の質問(占ってほしい事柄)に対する答えを、降りてきた霊がテーブルを動かして答えるというもの。テーブルに手を乗せている人は、テーブルを動かしてはいけない決まりで、ただ乗せているだけです。さて、ウィジャボードはテーブル・ターニングの進化系であり、同じように人々がボードを囲んで、プランシェットと呼ばれる手を乗せる道具に片手だけを乗せ、占ってほしい事柄を質問します。降りてきた霊は、その答えをプランシェットに乗せた手をYESかNOかに導き、答えを示してくれるのです。
日本のこっくりさんとの違いは
日本版ウィジャボードである「こっくりさん」は、ウィジャボードのような商用ボードを準備する必要はありません。単に紙に必要な事柄を書く(描く)だけで出来ます。ウィジャボードのHELLOやGOODBYEにあたる霊の出入口には、鳥居を描くといった日本風の違いがあります。YESとNOは、そのまま日本語の「はい」と「いいえ」になり、アルファベッとは「あ」から「ん」までを50音順に書くだけで大丈夫です。なお数字は、ウィジャボードと同じで0~9までになり、10円硬貨を用意して準備は完成です。ただ大きな違いは、ウィジャボードだとボードを囲むだけの人数が参加できますが、こっくりさんだと占ってほしい人が10円硬貨に人差し指を置くことから、せいぜい2~3人で行なうのが一般的だとされています。またこっくりさんは最初に唱え言葉が必要で、「こっくりさん、こっくりさん、どうぞおいでください。おいでになられましたら『はい』へお進みください」と詠唱し、10円硬貨が「はい」の位置に進んだら降霊が成されたとして、占い開始の合図になります。占ってほしい内容は、「はい」か「いいえ」で答えられるものに限り、質問後に「はい」か「いいえ」へと、指を乗せた誰かが動かさなくても10円硬貨が自然に動きます。終わりにするときは、「こっくりさん、こっくりさん、どうぞお戻り下さい」と詠唱すれば、10円硬貨が「はい」から鳥居へ移動します。こっくりさんが帰るときは、必ず「ありがとうございました」と丁寧にお礼を言うのが礼儀とされています。
ウィジャボードやこっくりさん危険度
ウィジャボードが流行したとき、教会関係者や祈祷師などは「霊を遊びに用いるのは危険である」「素人が安易に扱うものではない」と注意喚起をしていたそうです。なぜなら霊を呼び寄せるのは出来たとしても、その霊を霊界に戻す、あるいは除霊することは実に難しいことだとされていたからです。今は亡き愛する人を呼び寄せたいと思う気持ちは誰にでも理解出来るのですが、現世に呼び寄せたことで霊に未練が起こり、霊の世界へと戻れなくなる危険もはらんでいると考えられたのです。また必ずしも良い霊ばかりが降りてくるとは限りません。イタズラな霊もいれば、悪意を持つ厄介な霊もいることを忘れてはならないのです。実際に行なった人で、これまで幾人もが体調不良になったり、性格が激変したことで憑依されたと判断されたりした者もいたと言われています。
ウィジャボード、こっくりさんの作品
エンターテイメントの分野でも、ウィジャボードやこっくりさんが扱われることもあります。実際に行なう気持ちはないけれど、どんなものか参考に観てみたいという方はご覧になってみるのも良いでしょう。
- 『こっくりさん』(2014年)
- 『Ouija(ウィジャ)』(2014年)
- 『死霊の世界 ウィッチボード』(1986年)
- 『コックリさん』(2004年)