ジェラルディーン・カミンズ

ジェラルディーン・カミンズのイメージ

ジェラルディーン・カミンズは、アイルランドで生まれた女性です。もともとは劇作家として活動していましたが、自動書記の力に目覚めて以来、その霊能力を発揮して数々の書籍を残すようになりました。

自動書記(Automatism)とは、降霊術の一種になります。本人の意志とは関係なく、数々の霊的なメッセージを記していくことを指します。つまり霊媒師に降りてきた霊が、自身のメッセージを筆記させることです。このジェラルディーン・カミンズのもとには、イエス・キリストが降霊して、自身の処刑よりも前、つまり若き日のことをカミンズに書かせていたと言われています。このキリストの生涯に関する誰も知らなかった内容、たとえば修業時代のことなどを自動書記能力によって記した書籍『霊界通信イエスの成年時代 - 神と人間のはざまで』は、スピリチュアル業界やキリスト教の研究者からの注目を浴びて、カミンズは心霊研究者たちから一目置かれる存在になったのです。

また、もうひとつカミンズの名を有名にしたのは、フレデリック・マイヤーズについて記した書籍を記したからです。マイヤーズは古典文学や詩の世界で活躍する傍ら、心霊研究者としても名が知られていました。そして彼は、自分の死後30年経ってから、霊界からカミンズにメッセージを送り始めたのです。カミンズは彼のメッセージを自動書記により記して、書籍『永遠の大道』と『個人的存在の彼方』として発表しました。マイヤーズをよく知る物理学者オリバー・ロッジが真贋の鑑定を行いましたが、これらの書籍にはマイヤーズの特徴がよく表れていると認めたのです。そのこともあって、カミンズの自動書記能力や霊媒師としての正確さが、さらに証明されたのでした。

驚くべきは、カミンズ本人にはまったく心霊学の知識がなかったということです。そのために、カミンズ本人の口から発せられたとされる、心霊学や霊能力に関する記述は見当たらないのです。しかし一方、自動書記で書かれた書籍の数々は心霊学者たちから評価されていることを考えると、これらの書籍にカミンズ本人の主観はなく、カミンズは完全に霊媒師として霊界から送られてくるメッセージを綴っていただけと言えるのではないでしょうか。

ところで、カミンズには、共同作業をするH・G・ギブスという女性がいました。アイルランドでカミンズの同居人だったギブスの役割は、主にカミンズのサポートになります。カミンズは自動書記状態に入ると完全にトランス状態になり、自身の記憶が飛んでしまうと言われていました。そのために、自動書記の内容をまとめる助手として、ギブス女史が必要だったと言われているのです。