レイキ

レイキとは

レイキのイメージ

身体には自然な形で備わる独自の治癒能力があるといいます。それを科学的には免疫力と呼び、民間療法や生活の知恵としては手当療法などとして認識されることもあります。どちらも、身体の中のある種のエネルギーを、治療を必要とする部分に働きかけることで自然な治癒を助けます。そして、後者の民間療法である手当に近いものの一つに、全世界的に知名度の高いレイキがあります。

レイキとは生命エネルギーを指すと考えられています。生命エネルギーは体内に蓄積されていますが、それを手の平などを通じて外へと排出し、治癒を必要とする場所へと流し込むことで、治療効果が期待されます。このレイキ施術によって移動した生命エネルギーは、受け側の体内に入って生命力を活性化させたり、エネルギーバランスを整えたりし、身体が本来持つ自然治癒の能力を助けるのです。レイキの特徴は、この生命エネルギーを身体と身体の直接的な接触だけでなく、自分自身体内でのエネルギー移動や遠隔的な施術が可能であり、さらに医学的治療などと同時に行うことで治癒効果を高めることも可能だとされる点にあります。

レイキの発祥と世界化

レイキは「霊気」であり、その始まりは日本にあるともいわれます。日本に民間療法として古くから伝わってきた治療方法をまとめたのが臼井霊気療法であり、これが日系アメリカ人を含む多くの弟子へと受け継がれる中で、「レイキ」として普及いていったのです。ただ、現在、アメリカを中心とした世界各地に広まっている「レイキ」は、この臼井霊気療法の流れを汲むとはいえ、その教えや理論は独自に進化を遂げてもいます。その結果、レイキのパワーの源泉は身体の中に留まらず、宇宙エネルギーであるとの認識が強まり、レイキの歴史は古代にさかのぼるものであり、臼井霊気療法はあくまでその中興的な存在として位置づけられるようになりました。

レイキの施術者と施術方法

現代のレイキは古代霊気とも臼井霊気療法とも一線を画し、「西洋レイキ」と呼ばれるものが主流です。西洋レイキでは、身体には12ポジションの施術ポイントがあるとの考えのもと、そこに施術者が軽く手を当てる、または手をかざしてレイキ=エネルギーを注入していきます。この12ポジションは、中国でいうツボやインド哲学におけるチャクラなどに近いとされています。1回の施術は30分から60分程度で、施術者はある程度の知識と訓練が必要とされるものの、それはさほど厳しく難しいものではなく、アチューンメント(伝授)という儀式で施術者となることができます。また、アチューンメントの複数段階を経ることで施術者としてレベルアップが可能です。さらに、施術を受ける側には特別な知識や訓練は不要です。このように、施術を行う側も受ける側もアプローチが比較的容易であることが、レイキが広く受け入れられた理由の一つだとも考えられています。

レイキの効果と危険性

レイキは、薬や道具を用いることがなく、手を当てるかかざすだけという施術であるため、医学的治療のような目に見えてわかりやすい治療効果は表れにくいものの、同時に効果がないことも現れにくいという特徴も持っています。そのため、レイキ効果としては、生命エネルギーの移動というレイキ的な治療の有効性とは別に、人の手から伝わる「体温」や「安心感」といいったものがヒーリングとなり、プラス効果を生む可能性が低くないと考えられています。その一方で、レイキの効能を信じすぎることで適切な医療行為を受けるチャンスを逃す可能性という危険性もあるとして、注意が促されています。

お腹が痛くなればお腹に手の平を当て、頭痛がすれば額に手の平を当てます。これは霊気の発祥の地ともいわれる日本の日本人だけでなく、世界中の人が共通して行う自然な動作です。手の平が実際に治癒能力を持っているとか、そこからエネルギーが流れ出ているとかいう認識はそこにはありません。それでも、その動作が自然に起こり、それによって多少の治癒効果がえられるのもまた事実です。レイキはこの手当の延長上にある民間治療法であり、いくつかの他の民間療法や哲学要素を加えることで、治癒効果そのものを高め、治療効果があると人が受け入れやすい背景をも作り出してきました。こうしてレイキは、世界に存在する多くの民間療法の中でも、安心度が高く効果も高い(または副作用や反作用がない)ものとして、人気を高めてきたのです。