666

666とは

666のイメージ

666は「獣の数字」「悪魔の数字」とも呼ばれています。反キリストの意味も持つこの数字は、キリスト教文化圏で不吉な数字として恐れられてきました。新約聖書の最終章「ヨハネの黙示録」の中で、666は獣が人間を支配する際に使った恐ろしい数字として扱われていたためです。また、聖書では数字の7が完全数として扱われており、完全の意味を持つ7より1つ少ない6は、神の敵、または不完全なものを指します。近年では日本でも、666に関係する多数の都市伝説が広まり、各々の信仰に関わらず不吉な数字として認識する人が増えています。

ヨハネの黙示録における666

ヨハネの黙示録では、この世の終焉について以下のように記されています。

「この世が終わるとき、海から角が10本生え、頭が7つある獣が上がってきて、あらゆる種族の人々を惑わせて支配しました。そして、小さな者にも大きな者にも、富める者にも貧しい者にも、自由な身分の者にも奴隷にも、全ての人間の右手か額に刻印を押しました。そして、この刻印のある人でなければ、物を買うことも売ることもできないようにしたのです。この刻印とは、あの獣の名であり、その名の数字です。賢い人は、その獣の数字にどのような意味があるか考えましょう。その数字は人間を示しています。そして、その数字の数は六百六十六です」。この聖書の筆者(ヨハネ)は、666と身体に刻印された人は神と敵対するものであり、未来はないという意図で書いたとされています。

ヨハネの黙示録とは

新約聖書の最終章であるヨハネの黙示録は、聖書の中で異質な存在だと言われることが少なくありません。そこには神々の死や、世界の終わりについて記されおり、聖書というよりは預言書としての傾向が強いとされています。

666を刻印した獣は皇帝ネロ

ヨハネの黙示録で人々に666という数字を刻印した獣は、皇帝ネロのことを指しているという有名な説があります。皇帝ネロとは、ローマ帝国の第五代皇帝であり、歴史上初めてキリスト教徒を迫害したとされる人物です。皇帝ネロ「Nero Caesar」をギリシャ語に直し、それをヘブライ語にして数値化し、さらにその数字を全て足すと、驚くべきことに666になるのです。皇帝ネロがキリスト教徒を迫害した事実と、この計算によって、666の正体に関する最も有力な説として人々に認知されています。また、獣にこの数字を刻印された人々は、皇帝ネロと同様に反キリスト主義者だという解釈もされています。

映画「オーメン」による666への影響

1970年代に大ヒットしたアメリカのホラー映画「オーメン」は、666をヨハネの黙示録に記されている「獣の数字」から、「悪魔の数字」へと変化させた映画だと言えます。物語は、アメリカ人外交官ロバートの妻が、6月6日6時に男の子を死産するところから始まります。その病院では、同日同時刻にもう1人、身寄りのない男の子が生まれていました。ロバートは非公式で、その子を養子にしました。しかしその子の成長と共に、不気味な出来事が頻発するようになります。不信に感じたロバートは周囲からの助言で、息子は悪魔の子なのではないかと疑い始めます。そして、終盤では大切に育てた男の子の頭に悪魔のしるしである、666の模様を発見するのです……。このようなストーリーであったため、「オーメン」は666が悪魔の数字、不吉な数字として人々に定着する、大きな要因となりました。

666にまつわる都市伝説

日本では、2000年頃から都市伝説がブームとなり、666の存在が広く知られるようになりました。都市伝説によって囁かれる666の話は数多くありますが、その中から有名なものを紹介します。

666とバーコード

先述したように、ヨハネの黙示録において666の数字が刻まれていない者は「物を買うことも売ることもできないようにした」と記されています。そこで、常日頃から我々にとって身近な存在、バーコードに注目してください。バーコードには両端と中央の3カ所に、必ず他のラインより長い二重線があります。この二重線が示すのは、なんと世界共通で「6」なのです。つまり、世界中の商品に「666」が印字されていると言うことになります。ヨハネの黙示録とつじつまが合うことから、大変知名度の高い話です。

666と日本円

日本の硬貨は、1円、5円、10円、50円、100円、500円があります。これをすべて足すと、666円になります。また、紙幣は1,000円、2,000円、5,000円、10,000円がありますが、これらを全て足すと18,000円になります。じつは、この18という数字、6+6+6=18であるため、666を隠すときに頻繁に使われる数字だとされています。ほとんど見ることのなくなった2,000円札ですが、合計を666にするためだけに刷られた、という説もあります。

666とインターネット

グーグルクロームのブラウザにも、666が隠されていると言われています。お馴染の青、赤、黄、緑のアイコンをよく見てください。そして、真ん中の円を中心にそれぞれのカラーの堺目に線を入れてみましょう。3つの6が隠れているのが、簡単に見つかるはずです。また、URLで良く見かける「www」も、Wはヘブライ語数字の6であるため、隠された666だと言われています。

666は少し注意して見ると、企業のロゴやコマーシャルでも容易に見つけることができます。また、大きな事件や大地震が起きた日も、日付の数字を足していくと18になる説があり、非常に興味深いです。誰が、どんな狙いでこの世に666を散りばめているのか。まだまだ憶測と謎に包まれています。