パイロキネシス

パイロキネシスとは

パイロキネシスのイメージ

パイロキネシスとは、火の気のないところで炎を起こす超能力のことです。発火能力者や、人体発火装置と表現されることもあります。能力者が思いがけず火を発生させてしまう、自己制御の難しい超能力です。稀に起こる原因不明の焼死事件は、パイロキネシスの能力者が火をコントロールできなかった結果だという説もあります。それらは「人体自然発火現象」と呼ばれ、200件を超える多くの記録があります。一方で、意図的に火を発生させて操ることのできる能力者も存在すると言われていますが、確かな記録は極めて少ないのが現状です。また、人体自然発火現象の被害者は高齢者が多く、パイロキネシスの能力者は若年層が多い傾向にあると言われています。

パイロキネシスの記録

世界で話題となったパイロキネシスの記録です。

1882年 アメリカ

息を吹きかけるだけで物を燃やせるという24歳の若者が話題となりました。彼は口内のチェックやうがい、手洗いを拒否せず、仕掛けがないことを示してからパイロキネシスの能力を公開していました。「ニューヨーク・サン」など、複数の媒体で取り上げられたとされています。

1965年 ブラジル

火の気の全くない場所で火事が頻発し、その場には毎回特定の子供がいたとされています。

1982年 イタリア

新聞各紙で「魔女と呼ばれたベビーシッター」として取り上げられた事件です。1ヶ月の間に3件の家で複数回の火事が発生しました。それぞれの家が雇っていたベビーシッターが同一人物であること、さらに出火原因が突き止められないことから、ベビーシッターの女性がパイロキネシスだと疑われました。さらに裁判では有罪判決が下り、まるで中世の魔女狩りだと世間を震撼させました。

1986年 アメリカ

見つめるだけで対象物を燃やすことのできる少年が話題となり、「サンフランシスコ・ブリテン」誌で取り上げられました。

1986年 ウクライナ

ブラジルの記録と同様に、火の気の全くない場所で火事が頻発し、その場には毎回特定の若者がいたとされています。

2013年 インド

生後3ヶ月の赤ちゃんが4回も自然発火する事件がありました。発火する可能性を下げるため、病院では温度の低い部屋に寝かせていたといいます。医療関係者は懸命に検査しましたが、確実な原因究明には至りませんでした。

人体自然発火現象の記録

人体自然発火現象は、被害者がパイロキネシスの能力者であるという見方もあるため、切っても切れない関係です。特徴は、遺体が徹底的に焼けているにも関わらず、周囲はほとんど焼けていないこと。また、被害者に能力者の片鱗がなかったことから、条件が揃えばパイロキネシスに目覚める人が意外といるのではないかという見方もあります。

1951年 アメリカ

被害者のメアリー・リーサー(67歳)は黒焦げで発見されました。しかし、被害者が座っていたイスから半径50㎝程度は多少焼けていたものの、部屋全体はキレイだったといいます。検視官は出火原因不明と記録しています。

1980年代 アメリカ

被害者のフランク・ベーカーは、数少ない生還者です。自宅のソファで友人と過ごしていたところ、突然自身の身体が燃え出したといいます。二人は何とか火を叩き消して病院へ。医師の診断は、「身体の内側から外に向かって発火している」というものでした。

1980年代 イギリス

被害者のアルフレッド・アシュトンは、下半身だけをきれいに残して焼け死んでいました。室内には火が発生する原因が全く見当たりませんでした。

2010年 アイルランド

被害者のマイケルフェアティ(76歳)は、床の上で黒焦げになって死亡していました。しかし、遺体が横たわっていた床とその上部の天井以外に燃えた形跡がなく、火元になる物質も発見されなかったのです。2011年9月、検視官は徹底的な検証を重ねた上で、この火災を人体自然発火現象だと結論づけました。

人体自然発火現象の原因にはいくつかの仮説があるものの、パイロキネシスについては有力説がフェイクニュースであることが少なくありません。それは、パイロキネシスがあまりにも強大で恐ろしい能力であることが原因でしょう。もし、大切な家族や自分自身がパイロキネシスであったら、口外するでしょうか?そんなことをしたら、途端に人々の恐怖の対象となり、人権を失うことになりかねません。死ぬまでパイロキネシスであることを秘密にした人生の最後が、もしかしたら、人体自然発火現象と繋がっているのかもしれません。