オーパーツ

現代技術を超越した古代の遺物たち

オーパーツのイメージ

オーパーツとは、英語で「out-of-place artifacts」の頭文字、「OOPARTS」をとってできた言葉です。直訳した意味は「場違いな工芸品」。つまり、発見された場所や時代にそぐわない技術で造られた、物品や遺跡のことを指します。現代の科学技術をはるかに超越する、超古代文明が存在したという説や、宇宙から来た知的生命体によって造られたものだという説など、様々な議論が唱えられています。本記事では、世界中に存在するオーパーツの中から、そのほんの一部をご紹介いたします。

地上に遺るオーパーツ

ナスカの地上絵

ナスカの地上絵とは、ペルー共和国の乾燥した土地に描かれた巨大な絵のことです。1939年に発見されて以来、1,000以上もの絵が次々と発見されています。絵は、およそ1,400~2,200年前のナスカ文化時代に描かれたものだと言われています。近年、絵の描き方は少しずつ解明されつつありますが、当時は飛行機のような絵の全体を把握する手段がなかったことなど、いまだに多くの謎が残されています。宇宙人によって描かれたという説や、UFOの発着所なのではないかという見方も少なくありません。

イースター島のモアイ像

イースター島は、18世紀になってから発見された、太平洋に浮かぶ絶海の孤島です。島全体にはおよそ1,000体ものモアイ像が鎮座しています。大きいもので高さ20メートル、重さは90トン。鉄器のない島で、誰が何のために作り、どのように運んだのかは明らかにされていません。ソリを使った仮説の検証が行われましたが、1体につき63年という、とても現実的ではない歳月がかかることがわかり、この仮説は潰えました。島には、「モアイ像が自ら歩いて移動した」という伝説もあります。

海底に眠るオーパーツ

与那国島の海底遺跡

日本の最西端に位置する与那国島。1986年、島の南部の新川鼻(あらかわばな)の海底で、地元のダイバーが巨石群を発見しました。その全長は、東西に約250m、南北に約150m、高さは26m。調査の結果、自然形成説が有力となっていますが、城門のような入り口があったり、人の手により石がどけられた形跡やくさび跡があるなど、説明できない点も残されています。2,000~3,000年前の文明で使用されていた城や神殿だという可能性は捨てきれません。

ビミニ・ロード

フロリダ半島のビミニ諸島沖の海底に、およそ1.2kmも続く石畳の道です。ビミニ・ロードは、世界三大予言者の一人であるエドガー・ケイシーが発見を予言し、その予言をまったく知らない人物により1968年に発見されました。この石畳は、古代アトランティス文明における貿易で重要な役割を果たしました。貨物を乗せたポッド型の乗り物が、エネルギーグリッドと共鳴した石畳を行き来したと言います。一部では、ビミニ・ロードの北東に生息するイルカたちが、アトランティスの情報の守っているとも伝えられています。

考古物のオーパーツ

水晶どくろ

道具による加工の跡やヒビを一切つけることなく、1つの水晶から造られたどくろです。現在までに十数個が発見されており、その中で最も有名なのが、1927年にベリーズのルバアントゥン遺跡で発見されたどくろです。マヤ文明の考古物だとされていましたが、2008年に電子顕微鏡検査を行ったところ、ダイヤモンド研磨剤を使った跡が見つかり、19世紀頃に造られたものだと発表されました。しかし、この製法は非常に時間がかかり、現代でも再現するのは困難な技術。誰が何のために作ったのかは依然として不明のままです。

黄金スペースシャトル

コロンビアの古代遺跡から発掘された、飛行機のような形状の黄金細工です。大きさは幅5㎝、高さ1㎝で、ペンダントなどの装飾品だったと考えられています。起源500~800年のシヌー文化時代の遺物とする説と、さらに昔のプレ・インカ文明の遺物とする説がありますが、いずれにせよ飛行機などがなかった時代。三角翼や垂直尾翼があることから、魚や鳥を模したものだとは考えにくいと言われています。また、ナスカの地上絵に似たものがあり、何か関連性があるのではないかという見方もあります。

世界には、今回取り上げたもの以外にも、数々のオーパーツが存在します。どのように造られたのか、真相が明らかにされていないからこそ、人々は想像力や好奇心をかき立てられるのかもしれません。