ヒランヤ

「黄金」「財宝」を意味する多角形

ヒランヤのイメージ

ヒランヤは、上向きの三角形と下向きの三角形を重ねた図形で、別名「六芒星」とも呼ばれます。それぞれ、上向きの三角形は陽のエネルギーを、下向きの三角形は陰のエネルギーを表します。この2つの図形が組み合わさることで、相反するエネルギーが調和し、偉大なパワーが発揮されると考えられています。

そもそも、ヒランヤという言葉の意味は、古代サンスクリット語で「黄金」「財宝」。古代の人々も、黄金や財宝を手に入れられるくらい、この図形には不思議なパワーが宿っていると信じていたのです。

あの偉人も活用した!?

また、ヒランヤには魔除けの力があると言われています。世界的に見ても、キリスト教やイスラム教、ヒンドゥー教、チベット仏教などでも、神具の模様や教会のステンドグラス等に、ヒランヤがモチーフとして使われています。ユダヤ教では「ダビデの星」といって、ユダヤ民族を示すシンボルマークにもなっているほどです。

日本も例外ではありません。ヒランヤは「籠目紋」として古くから親しまれ、伊勢神宮の石灯篭にもこの模様が刻まれました。また、幕末から明治維新にかけて活躍した坂本龍馬(1836~1867)の袴にも、ヒランヤが刺繍されていたと言います。坂本龍馬が薩長同盟を成し遂げ、明治維新の立役者となったのも、ヒランヤに秘められた偉大なパワーの助力があったからかもしれません。

日本におけるヒランヤブーム

1980年代、とあるラジオ番組の実験でたびたび取り上げられたことにより、日本ではヒランヤがブームとなりました。例えば、バラの花を使った実験では、ヒランヤの上に置いたバラとそうではないバラを用意し、何が起こるかを検証。1週間が経った頃、ヒランヤの上に置かないバラは枯れてしまいましたが、ヒランヤの上に置いたバラはまだみずみずしさを保っていたと記録されています。他にも、ヒランヤによって引き起こされる不思議な現象を次々と検証したこの番組は、人気を博しました。

魔除けの力を持ち、時にとてつもないパワーを発揮するというヒランヤ。その不思議な力は、今も根強く信じられています。近年ではアクセサリーのモチーフとしても大変人気で、多くの人に親しまれています。