アポカリプティックサウンド

空から響き渡る謎の音

アポカリプティックサウンドのイメージ

アポカリプティックサウンドとは、何の前触れもなく突如聞こえてくる謎の音です。空からなのか地上からなのか、どこから聞こえてくる音なのかもわからない。その不気味な響きから、「世界の終末を告げる音だ」とオカルトマニアをはじめとする一部の人々の話題となりました。「ゴーン、ゴーン」という不穏な鐘の音や、金属がこすれるような奇妙な音、まるで工事現場にいるようなけたたましい音…。無料動画サイトには、世界中で聞こえたアポカリプティックサウンドの動画が次々とアップされています。

音の正体

アポカリプティックサウンドについて、NASAを始め多くの研究がなされていますが、その正体は一切明らかにされていません。オーロラや放射線体から放出される電磁ノイズだという説もあれば、エコーがかかったような音を空から出すことは不可能だということで、地下の空洞から響く音だとする説などがあります。

『ヨハネの黙示録』に由来

なぜアポカリプティックサウンドが世界の終末を告げると言われているかは、新約聖書の巻末『ヨハネの黙示録』に由来します。『ヨハネの黙示録』は、新約聖書の中で唯一預言書のような性質を持ちます。そこには、7人の天使が現れそれぞれがラッパを吹く時、天変地異が起きて世界は終焉を向かえると記されています。アポカリプティックサウンドの不気味な音を天使たちのラッパの音になぞらえて、こう言われるようになったのです。

天使たちがラッパを吹くと、以下の災害が起こるとされています。

第一のラッパ吹き

血が混じった雹(ひょう)と火が地上へ降り注ぎ、地上の3分の1、木々の3分の1、すべての青草が焼ける

第二のラッパ吹き

海の3分の1が血となり、海の生き物の3分の1が死ぬ

第三のラッパ吹き

「にがよもぎ」という星が落ちてきて、川の水の3分の1が苦くなり、多くの人が死ぬ

第四のラッパ吹き

太陽、月、空の星の3分の1が壊れ、その分だけ昼も夜も暗くなる

第五のラッパ吹き

1つの星が地上に落ちて底なしの淵まで通じる穴を開け、奈落の王を呼び覚ます。額に神の印がない人を襲い、5ヶ月間苦痛を与える

第六のラッパ吹き

4人の騎士が2億人の騎兵隊を連れてくる。その馬の口からは火、煙、硫黄が放たれ、人間の3分の1を殺す

第七のラッパ吹き

世界の終末が訪れる。神に選ばれなかったすべての人が死ぬ

何度も鳴り響くアポカリプティックサウンドを聞いた時、人々がこの話を思い出してしまうのも無理はありません。その正体がいまだに明らかにされていないことも、私たちの気持ちを不安にさせる一つの要因だと言えます。