ドリームキャッチャー

ドリームキャッチャーのイメージ

ドリームキャッチャーとは、丸い枠に蕁麻(イラクサ)の繊維や、動物の腱を細くして編み込んだお守りです。昔から魔除けとして知られていますが、どのような効果があるのかご存知でしょうか。日本ではドリームキャッチャーはインテリアとして使われるようになっていますが、今でもドリームキャッチャーを守り神として崇めている部族がいます。

ドリームキャッチャーの起源

ドリームキャッチャーの起源について、いくつかの諸説があります。ネイティブアメリカンの文化という人もいれば、オジブワ族がルーツだと語る人も。実はどちらも正しく、実際にドリームキャッチャーの起源は、カナダ付近にある五大湖地方で生まれました。

オジブワ族は昔から蜘蛛の巣を神として崇めていますが、蜘蛛の巣は神話に出てくるスパイダーウーマンを表しています。ですが、スパイダーウーマンだけでは村を守りきれないだろうということで、蜘蛛の巣に見立てたドリームキャッチャーを吊るすことにしたのです。

昔から夢は現実に精通すると考えられており、悪夢を見たら災いが起こると考えられていました。オジブワ族は漁に出て日々の生活を潤していましたが、悪い夢を見たものは漁に連れて行けないとも言われていたのです。そのため、このドリームキャッチャーはスパイダーウーマンの守護神として、大切にされてきました。

ドリームキャッチャー伝説

ドリームキャッチャーにまつわる伝説は、この世にたくさん存在しています。中でも有名なのが、イクトミというペテン師がある村を訪ねた話です。イクトミは村のリーダーを騙そうと蜘蛛に変装します。イクトミはリーダーと話しながら綺麗な糸を出し、丸い枠の中に蜘蛛の巣を張り巡らしたのです。

そして村のリーダーに蜘蛛の巣を渡し「この蜘蛛の巣は悪い力を引っ掛けられます。そして良いことだけがあなたに降りかかります」それを信じた村のリーダーは早速枕元に飾ったところ、良い夢を見たのです。ペテン師のイクトミは村のリーダーを騙すつもりが、村に良いことをしたと崇められるようになりました。ここからドリームキャッチャー伝説が世界に広まったと言われています。

ドリームキャッチャーのデザインの意味

ドリームキャッチャーは蜘蛛の巣のような丸い枠の周りに、鳥の羽がついているデザインが特徴です。ドリームキャッチャーは蜘蛛の巣が悪い夢を捕まえ、良い夢を与えてくれるデザインになっています。

丸い枠

丸い形は昔から輪廻転生や、永遠の生命を連想させる神聖なものでした。ネイティブアメリカンが考える丸い枠は、生命の死と再生や太陽と月などを表すものとして、重要なことを意味しています。ただし、ドリームキャッチャーが世界で広がるようになり、水平型やティアドロップ型などアレンジするものも出てきました。

ビーズ

キャッチャーネットにビーズをちりばめられたものを見かけますが、ビーズにも意味があります。ビーズは蜘蛛を表しているのですが、たくさんちりばめることで良い夢をたくさん捕まえたという意味があります。また、ビーズは朝日を浴びた蜘蛛の巣の水滴を表しているという一説もあるのです。そして、真ん中にターコイズのパワーストーンを使うことが多いのですが、ターコイズはネイティブアメリカンにとって神聖なもなので、使われたと言われています。

羽根

鳥の羽は昔から幸運のモチーフとして知られています。丸い枠の外側につけることで、眠っている人に良い夢を運んでくれると信じられてきました。

ちなみに、ドリームキャッチャーのデザインがおしゃれだったことから、世界で注目を集めはじめました。オジブワ族はアクセサリーとして使われることに対して、ひどく憤慨していたのです。

ドリームキャッチャーの使い方

インテリアとしても使われるようになりましたが、本来は寝室のベッドの上や枕元に飾るのが正しい使い方です。もともとオジブワ族は将来を担う子供を中心とした考え方をしており、子供が悪夢を見ないようにお守りとしてドリームキャッチャーを枕元に置いたのが始まりです。基本的には朝日が昇る窓に吊るすようにします。

また、ドリームキャッチャーは同じ場所にずっと飾っておくと、悪夢を捕まえるパワーが弱くなると信じられてきました。そのため、定期的に場所を変えながらエネルギーを強めたと言います。

ドリームキャッチャーは、キャンプで過ごすようなテントにも魔除けとして効果的です。朝日が昇る方角にテントの入り口を向けて、そこに飾ると運気が上がるとされています。