赤富士

赤富士とは

赤富士のイメージ

葛飾北斎の浮世絵版画「冨嶽三十六景」の一つでもある「凱風快晴」は、赤富士を描いており、古来から赤富士という言葉がありました。赤富士は朝方に山肌が日光によって、赤く染まって見える現象のことです。ただ、いつでも見られるのではなく、一定の条件があった場合のみ一瞬だけ見られます。赤富士が見られる確率はほとんどありませんが、比較的富士山の雪が溶けてなくなる7月から、10月の冠雪が始まる前の時期が多いと言われているようです。

また、実は赤富士の他に、紅富士と呼ばれる現象があります。それは富士山が冠雪になった状態の時に、朝日に照らされて雪が赤く染まることです。まるで富士山が頬を染めているかのような現象なので、紅富士とも呼ばれるようになりました。紅富士のほうが、比較的冬場に見られることが多いと言われています。

赤富士の子宝ジンクス

赤富士にはジンクスがあり、陣痛中の妊婦さんに赤富士を書いてもらい、その絵を子宝に恵まれたい人にプレゼントすれば、その通りになるという言い伝えがあります。なぜそのようなジンクスが生まれたかというと、富士山にはかぐや姫がいたと言われていることが関係しているのです。

通常のかぐや姫の話だと竹から生まれて月に帰っていく話ですが、富士市ではかぐや姫が富士山からやってきたということになっています。子供ができなかった老夫婦の元にやってきたかぐや姫が、富士山に戻って行ったということから、富士山は子宝に恵まれると言われるようになりました。

赤富士は縁起が良い

富士山はもともと「不死」伝説があり、不老長寿の山と言われてきました。中でも赤富士は一年に一度あるかないかの頻度で現れるため、見たものは幸せになると言われているのです。赤富士は誰もが魅了する力強いパワーがあり、多くの人を惹きつけてきました。

特に赤富士には開運効果があり、悪縁を断ち切って良い縁だけをもたらしてくれます。赤富士を見たら、願い事が全て叶うほどの強いオーラを放っているのです。

直接見るのが困難なので、赤富士をスマホの待ち受け画面に設定することで、金運や人気運がアップするとされています。待ち受けにする際は、逆さ富士や空がピンク色になっているもの、鳥が写り込んでいるのもが良いでしょう。そして風水でも赤は縁起が良いとされ、赤富士グッズを部屋の東から南までの間に飾ると仕事運や、健康運が上がると言われています。

赤富士は縁起が悪いとも言われている

山が真っ赤に染まって山火事のように見えることから、一部では縁起が悪いとも考えられていました。古来から富士山の近くに住んでいた人は、突然出現した赤富士に大変驚き、富士山が噴火するのではないかと心配したようです。

赤富士が毎日見られるのなら不吉な予感もありませんが、1年にあるかないかの割合で出現するため、何か不吉なことが起こると信じられてきました。また、夢占いでも赤色はあまり良くない色として伝えられていることも重なったのでしょう。

赤富士が撮影できる場所

早朝、太陽が順光して富士山に当たる場所が良いとされています。逆光だと赤富士は取れないため、山中湖村や忍野村などの富士北麓地域がおすすめです。撮影場所として、山梨県吉田市の滝沢林道が有名な場所となっています。

また、赤富士が出現するのが前日に雨が降ることが大前提です。雨のおかげで空気中のちりなどがなくなり、透明度の高い空気となります。そのため、クリアな赤富士が見られる可能性が高くなるでしょう。