数秘術

数秘術とは

数秘術のイメージ

数秘術は占術のひとつで、占星術や易学などと同じく、占いの中では人気の占術として広く知られています。英語ではNumerology(ヌメロロジー)と呼ばれ、日本に限らず海外でもポピュラーな占術として、多くの人が人生の岐路における選択肢決定に役立てているようです。また、数秘学とも呼ばれ、占いでもあり学問でもあるアプローチがなされています。

人が持っている運命や宿命を占う際に用いられる占術なので、「命」「卜」「相」といった占術の中では命術のカテゴリに入ります。占う対象者の生年月日や名前、誕生日などを計算式に当てはめていき、その人の性格、他人との相性、運命、そして人生の運勢の上下やその時期などを知ることが出来ます。

ひと口に数秘術と言ってもその体系は複数存在しています。ただし、現在日本を始めとして主流になっているのは、モダン数秘術の開祖とまで呼ばれているアメリカのL・ダウ・バリエット(Mrs. L Dow Balliett)が20世紀の前半に体系化した数秘術になります。

数秘術の起源・始まり

数秘術の創始者として知られているのが、ピタゴラスの定理でお馴染みの古代ギリシャの哲学者であり数学者でもあるピタゴラスだとされています。ピタゴラスは数秘術の父とも呼ばれ、万物は数によって表すことが出来ると説きました。

ですが一方、ピタゴラスの生きた時代よりももっと古いギリシャの他、エジプトやローマ、中国などでも数秘術が使われていたとされる説もあり、正確な起源はわかっていないのが実情です。体系的な学問や占術としてではなく、あくまで限られた知識層の中で、さらに限られた人たちに口伝されてきたため、このような事態になっているのではないかと考えられています。

いずれにしても、ピタゴラスが数秘術を用いていたことは確かなようで、その思想は同じく哲学者のプラトンに引き継がれ、後に西洋占星術やタロットなどの占術とも結び付き、カバラを取り込んでルネサンス期にヨーロッパでブームとなりました。その後、世界に広がっていったとされています。

数秘術を利用した占い方法

数秘術を利用した一般的な占断の方法としては、生年月日や名前、誕生日などを数字に置き換え、ひと桁になるまで加算していき、最後の数字が示す意味で占い結果を判断する流れになります。場合によっては誕生日だけで誕生数を出して占うことも、名前だけで名前数を出して占うこともあります。日本人の名前の場合、平仮名をローマ字表記にして、さらにそのアルファベットを数字に置き換えて占うといった過程を経ることになります。

数秘術において数字の持つ意味合い

数秘術において、数字はそれだけで意味を持つものとされます。最後に、1から10までの数字が持つ意味合いを紹介しておきましょう。もっとも、数秘術を使う占い師(ヌメロロジスト)によって多少の解釈の違いは見られるものとしてください。

<1>

始まりであり、先駆者や導き手、あるいは絶対不可侵の存在を示します。多様性につながりつつも、最終的には統一へと戻る循環の基礎の数字です。

<2>

不和を示すこともあれば、バランスの取れた安定性を示すこともあります。物事の反対側を示唆している暗示でもあり、あなたの抱いた疑念が当たっている可能性も示しています。

<3>

多様性や創造性、そして成長や前進することを示します。過去・現在・未来、肉体・魂・精神、誕生・生・死、始まり・中間・終わりといった3つの性質の普遍性を表します。

<4>

全体の完全性や秩序を示します。また、物事の合理性を示し、バランスの取れた状態を表します。静的な状態を指すので、持久力を持って変化はゆっくりとしたものになります。

<5>

物事の中心と全体とを、同時に示します。物事を創造する役割を持ち、すなわち進歩的な思考や人を導く力、変化や状況の移行を成功させる力をもたらす存在と言えます。

<6>

完全な平衡状態、バランスの良さを示しています。愛、健康、美、幸福を表すことで、これらを得るか、あるいは失うかを提示しています。勝負事における勝利も意味します。

<7>

癒し、安全性、完全性、そして物事の豊かさを示します。また、年数で7を見る場合、入れ替わりの数字として判断出来ます。古いものから新しいものへと入れ替わっていきます。

<8>

入れ替わりの7の次にくる数字なので、新しいスタートを示します。同時に、失ったものを取り戻して手に入れることも示します。次の変化への始まりに立ったと言えます。

<9>

完成や成就、始まりであり終わりでもある完全な状態を示しています。誰かに、あるいはなにかに、といった外からの要因に影響を受けることのない完全な状態でもあります。

<10>

1から9のすべての可能性を含み、完全でもありながらどのようにも変わることが出来る変化を示しています。分散されたものが統一へと回帰していくことも示しています。