龍神
龍神様とは
龍神様とは、縦横無尽に空を飛びまわり気の流れを変える霊獣です。気候や海流といった自然界のエネルギーを自在に操る霊力を持っています。龍神様は特に水神として有名です。仏教においては釈迦の眷属で、釈迦の生誕の際に甘露を降らせて祝福したとされています。
この逸話から、日本では「甘露の雨を降らす水の神」として、雨や水を司る守護神として崇められてきました。中国には「雲は龍に従い風は虎に従う」という故事があり、日本同様に水や天候を支配する霊獣として祀られています。
起源|蛇神信仰との融合
龍神様の起源は古来中国にあります。中国おいて龍神様は、皇帝のシンボルです。皇帝は龍の形をした母斑を持って生まれたという伝説があるように、天子と龍神様を紐づけて皇帝の権力を神聖化していました。
中国から日本へ伝来したのは、弥生時代以前と考えられています。日本では縄文時代から、蛇を水や生殖を司る神と崇める「蛇神信仰」が根付いていました。そのため、中国のように龍神様と天皇を紐づけて朝廷を神格化することはなく、蛇神信仰と融合したと考えらえています。
なお、中国天文学には方位を4つに分けて、四方を守護する神獣「青龍・玄武・白虎・朱雀」を配置する「四神思想」があります。日本でも平城京の建立や様々な建造物に、四神思想を取り入れた事実は広く知られているでしょう。龍神様は四神の一つであることからも、強力なエネルギーを持つ神として現代でも崇められています。
容姿|龍の九似
龍の姿は古来中国で「三停九似説」をもとに造形されました。三停九似説は、龍は9つの動物の優れた部分が融合した姿と説いたものです。「首は蛇、角は鹿、頭はラクダ、目はウサギ、首は蛇、腹は蜃気楼を生む伝説の生物蜃(しん)、鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、耳は牛」に似ると言われています。
龍神様の種類
五行説において龍神様には5色の神が宿ると言われていて、それぞれに意味があります。また、四神獣を龍神様に置き換える替えもあり、水の神以外の守護を担うケースもあります。
青龍|芸事・勝運の神
古代中国神話に出る四神獣の青龍は、東方角の守護神であり、災いを防いで運気を上昇させる龍神様です。五行では木、季節は春を司ります。東は太陽がのぼる方角から新たな門出を意味し、挑戦・成功・出世といった仕事運や勝運に強いです。
青龍には「聚鳳山(しゅうほうざん)の青龍伝説」があります。太古中国の聚鳳山付近には、日照りが強くても干上がることがない巨大な池がありました。池の周りはヒスイで光り輝き辺り一面美しい草花で囲まれ、水面へ延びる細いつるが、細身で舌が長い青龍の様子を表しているようでした。そのため、巨大な青龍が守護神として池に住み着き、水の資源を守っていたと考えられています。
赤龍|生命力・情熱の神
赤龍は南方角と夏の季節を司る龍神様です。四神獣の朱雀と同様に生命力や情熱の象徴とされています。龍神様が水の神である一方で、赤龍は五行において火を司ることから日照りとして崇められています。太陽から生まれた赤龍は、口からは灼熱の炎を吐き出し妖怪を退治してきました。
水害に見舞われた際には、赤龍が太陽を操り、雨雲を追い払い人々を救った逸話が残っています。夏の暑い太陽のように活力を与えることから、人々へポジティブなエネルギーを与え努力をサポートする龍神様です。
白龍|家の守護神・金運の神
白龍は四神獣における白虎と同様の特徴を持ち、西方角を守護し秋や金属を司る龍神様です。また、龍神様の中で最も速く空を飛べる特徴をもっています。中国神話において白龍は、儒教と道教の神であり天界の支配者でもある天帝の遣いとされてきました。
日本において龍神様は、蛇神信仰と融合しています。白い生物は神の眷属とされ、中でも白蛇は神の化身として祀られてきました。そのため、白龍は家の守護神として崇められています。また、蛇の持つ財を逃さない特性から、金運上昇のご利益がある龍神様とされています。
黒龍|対人・浄化の神
黒龍は四神獣の玄武を表し、北方角や冬を司ります。黒龍は他の龍神様の30倍強いエネルギーを持ち、さらに10倍の神通力があるため別格な存在と言えるでしょう。一方で、黒龍は光を嫌い海底の奥深くに潜んでいるため、漫画やアニメでは不穏なエネルギーを持つ悪の存在としてケースが少なくありません。
しかし、信濃の民話の「黒姫物語」があるように、実際は恩深く人間と最も近い距離にいる龍神様です。人間の守護龍神として邪気や不浄から開放し運気を上げるパワーを持っており、対人運や愛情運上昇のご利益があります。また、龍神様の中でも水と密接な関係があるため、心身の気と水のエネルギー循環を整え浄化するパワーも兼ね備えています。
金龍|人生安定の神
金龍は五行において土用の時期にあたり、中央に配置される龍神様です。大地を司り植物が深く根を張るように土台を築くパワーを与えてくれます。グランディングのパワーにより、生活の基礎を固める財運や人間関係など、多角的に生活の安定を保護してくれるでしょう。
また、金流が配置された中央はコミュニティの象徴です。人間関係の改善や良いご縁に導くなど、特に対人面において引き寄せる力を発揮します。金龍という名前の通り、華やかで明るい性格のためポジティブな波動との相性が抜群です。一方で引き寄せる力が強いため、ネガティブな波動を持つ人が金龍のパワーを利用すると、邪気を呼び寄せる危険があります。
龍神様に憑かれたサイン
基本的に龍神様は水を司る神であり気象を操る自然霊です。そのため、龍神様に憑かれると雨女・雨男になる傾向があります。自然霊に憑かれると気象がかかわる例としてお稲荷様が挙げられます。
お稲荷様は農業にまつわる神のため、作物を成長させる太陽の光を操ります。そのため、お稲荷様に憑かれると大事な日は大抵晴れるという、晴れ女・晴れ男になると言われています。お稲荷様は水を操る神なので大事な日に雨が降る場合は、龍神様のパワーが影響を与えていると考えられるでしょう。
龍神様を示すソウルナンバー「8」
龍神様が自在に空を飛ぶ姿を表す「8」は、龍神様のご加護を授かるというスピリチュアルナンバーです。頻繁にゾロ目の「8」を見かけた際は、龍神様が近くにいると考えられます。また、龍神様からエネルギーを授かりたい場合は意識的に「8」を取り入れましょう。
龍神信仰は危険なのか|純粋な心が大事
龍神様の信仰は決して危険ではありません。龍神様を信仰するのは危険とされる理由は、蛇が持つ執着な特性と地獄が関係しているからです。仏教において畜生道は、強い未練や強欲を断ち切れなかった人間が堕ちる地獄で、執着が強い人間は蛇に変化すると言われています。
また、龍神様は引き寄せるパワーが強力なため、ネガティブな人間は負の波動とリンクします。すると生理的欲求が抑制できず、さらに欲深くなり人生が暗転する恐れがあります。執着が強いため憑依すると離れにくい特徴があることからも、龍神様の信仰が危険と考える人もいるのでしょう。裏を返せば、邪心や私利私欲がない純粋な心の持ち主にとっては、高い波動で幸福をもたらす最強の神様と言えます。