低級霊

低級霊イメージ

物に格式の違いがあるように、人に人格の違いがあるように、実は霊にも霊格といって格式の違いがあります。それぞれの霊の霊格は、霊たちが生者だった時から持っている格を保ち続ける場合もあれば、霊として存在してきた歴史の中で変わっていくこともあります。中でも、霊格的に「低級」である低級霊は物や人の身近なところに存在しているため、人に影響を与えることが少なくありません。

低級霊とは

霊格の低い低級霊は、成仏することができずに苦しんでいることがあり、物や人を頼って訴えかけてきます。心霊現象や心霊写真などがよく知られています。成仏できない理由には、晴らしたい恨みがあったり、思い残したことがあったり、ほかの物や人から受ける思いが強すぎていたりといったことが考えられます。また低級霊自身は、成仏する方法を知っていても自力では救われることができない場合もあれば、成仏しようという意思を持たない場合もあります。どちらの場合であっても、成仏することができない以上、人の世界のすぐ隣で成仏の機会をうかがう、あるいは成仏させてもらおうと待っているのです。

文字通り低級な霊ですから意思や判断力が未熟な霊である場合が多く、人と関わると災いをもたらすことが少なくありません。だからといって、すべての霊を拒絶するのは考え物です。高級霊や守護霊など、人にほとんど影響を及ぼさない存在や人を護ってくれる霊も存在しているからです。そこで必要になるのが、「霊を見分けること」です。霊の存在に気づける感覚だけでなく、その霊の霊格を見分けることができれば安心ですが、実際にそれができるのは強い霊感を持った霊能者だけでしょう。ただし、霊能者でなくても知っておくべきことがあります。それは、通常人が出会う霊の大半は、低級霊であるということです。高級霊は人とはかけ離れた場所に存在しているため、普通の生活では人と交わることがほとんどないとされます。

霊にはさまざまな種類があります。その中で低級霊と呼ばれる霊にはどんなものがあるかというと、地縛霊や自縛霊などの浮遊霊や不成仏霊のほとんどを含みます。一般に守護霊と呼ばれる霊も、実はそのほとんどが霊格的に見れば低級に属しています。低級霊とは高級霊でないものすべてのことなので、その範囲は非常に広く種類も多いのです。

低級霊が人に及ぼす影響

低級霊と聞くと、ただちに人に危害を加える存在のように思われがちですが、低級霊のすべてが人に害を及ぼすわけではありません。低級霊の中には空気のように人に影響を及ぼすことのない無害な存在もいます。守護霊として寄り添って身を守ってくれることもあります。そしてそれらと同時に、いたずらを仕掛けてきたり、不幸や危害をもたらしたりすることもやはりあるのです。

霊の影響を受ける人には、自ら影響を受け入れコントロールすることができる霊能者と、知らずに引き寄せてしまうタイプとがいます。前者は影響を受けても害を受けることは少ないのですが、後者はそうはいきません。生まれつき霊を寄せつけやすい性質を持つ人は、少しでも早くそれに気づいて必要な修行や能力を身につけて自分を守る必要があります。また、普段は霊とは無関係な生活を送っていても、心や体が弱ると霊につけ入られてしまい、乗り移られたり(憑依されたり)霊障を受けたりしてしまうことがあります。低級霊は、理由やきっかけがなくとも、人の心や体に入り込み影響を与えようとします。つけ入れられないようにするには、常に心と身体を清く強く保つことが大切なのです。

低級霊とは、人々にさまざまな影響を与える存在です。低級霊は人の弱った心や体の隙につけこむのを得意とするため、弱っている人をより弱らせる結果になります。また、困って霊の助けを求めた時に、それに応えてくれるのもやはり低級霊です。低級とはいっても霊の性質や力には差が大きく、霊との相性や出会い方、それこそ運などに大きく左右されます。通常人が出会う霊のほとんどが低級霊であるだけに、まずは心と体の健康を心がけること、そして、万一害をなす霊の存在に気づいた時には直ちに正しい対応が取れるよう、必要な知識を得て十分に気をつけておくことが大切でしょう。