輪廻転生
輪廻転生とは、亡くなった人の魂が霊界へと行き、魂が浄化された後に生まれ変わって、再度現世で新しい人生を歩むという“魂の流れ”や“生まれ変わり”を指しています。この“魂は死んでも形を変えながら何度でも生まれ変わり永遠に生き続ける”と言う転生説は、世界的にも認められています。中でも仏教はこの輪廻転生を説いていますが、ヒンドゥー教や古代ギリシャの宗教などでも、同様の考え方を持たれているようです。その仏教では「六道輪廻」と言われる考え方があり、人の魂は「地獄・畜生・餓鬼・阿修羅・人間・天界」という6つの境界を車の車輪のようにグルグルと移り変わっていくと考えられているのです。人間は死後、必ず天界に行くということではありません。生前の業、つまりどのように行動したかによって、次に生まれ変わる道(人生)が変化してくると言われているのです。善い行いをすれば生前よりも満ち足りた人生が、悪い行いばかりをしていたなら生前よりも酷い人生が、それぞれ転生先に待っているということです。
前世の記憶と輪廻転生
人間の魂が再び人間として転生するサイクルは、平均的に300年~400年と言われています。中には稀なことですが、数年で人間として生まれ変わるというケースもあります。これはその人の前世の行いによって、転生サイクルが早まったと考えられています。実は、前世の記憶を持つ人は世界中に存在していて、世界各国の事例を徹底的に調査している研究者もおり、様々なケースがあることが研究・報告されています。ある研究結果では、前世とは逆の立場になって生まれ変わることが多くあるとされています。例えば人間関係で苦しんでいる人の場合、前世で人間や動物、生き物などをいじめていた傾向があると言います。お金で困っている人の場合、前世では派手な生活をしていたと言われているといった具合です。
前世で夫婦だった2人が生まれ変わってまた夫婦になる可能性もありますが、転生した場合、夫だった人が妻に、妻だった人が夫に生まれ変わるケースも珍しくありません。その場合、前世で辛い思いをさせてきた人が今度は辛さを味わうという状況になり、前世の自分の行いに気付くことになるようです。前世の失敗を現世で償い、魂を成長させることが輪廻転生で最も重要なポイントになります。生まれ変わる度にこれまでの苦しみや辛さ、感動などに気付き、経験を通して一歩ずつ成長していくことになるのです。
生まれ変わりは魂の成長を促す
転生する際には、本人が気付く気付かないを別として、その人生での目標や課題を持って生まれ変わります。過去の問題を1つずつクリアするために魂に目標が刻まれており、自然とそれをクリアする道を選んで生きていく傾向にあるということです。どれだけ現世で努力しても報われない、思うように発展させられないというときは、実はそこに前世が深く関係しているからかもしれません。前世の行いが悪い・重いため、クリアするのに大きな努力や犠牲を払う必要があり、そのしわ寄せが現世での人生に影響を与えているということなのです。つまり前世で人をだましてばかりいたために、現世でなかなか結婚のチャンスに恵まれなかったりビジネスで成功を収められなかったりと、すべての事柄が前世と深くリンクしているのです。
ただ、現世でどうにもできないからと諦めてしまうと、結局魂が成長することができずに来世でも困難な道を進むことになるでしょう。少しでも来世を安定させたいなら、いかに現世で努力し、善行をするかということが重要なカギとなるのです。現世で修業を積み、魂を成長させることができれば来世のランクが上がるでしょう。1回の人生で、とある目的を達成するために魂が色々な姿になって何度も生まれ変わり、1つの生涯を終えたらまた姿を変えて現世に蘇ることを輪廻転生と言います。