類魂

類魂とは

類魂のイメージ

類魂(るいこん)とは、スピリチュアルの世界での用語であり、主に「グループソウル」と訳されるもの。魂は常に単独で存在しているわけではなく、霊的な大家族があり、霊的な親、そしてさらに上の親と連なっているものだとする考え方です。この類魂について、その発祥や概念を詳しく見ていきましょう。

類魂(グループ・ソウル)とは、人間の死後に魂となって行く霊界に深く関係するものです。普通、人間は一つの魂が肉体に宿り、この世に生まれてくるといわれていますが、肉体が滅びた後も、魂は失われません。そして、魂はその霊的な成長レベルに見合った霊界の階層に到達するといわれています。そして、その自分と同じレベルの魂たちが集まっている階層で、数十から数千もの魂が集まるグループを作ります。そして、まるで家族のように、共に生活をするわけですが、このグループ、つまり霊的家族によって作り出された、統一された意識の塊のことを、類魂と呼びます。いってみれば、魂が一つの大きな意識の集合体として融合し、グループ化したものといえるでしょう。もちろん、個としての意識はそのまま存続します。

また、類魂は、魂の親、さらにその親、とどこまでも連結していく霊的祖先的存在であるといわれています。つまり、地上で肉体を持った人間なら誰もが持つ家族と同じように、魂が皆持つ家族といえるのです。

類魂と守護霊の関係

よく、守護霊や指導霊という存在がありますが、これらの高位とされる霊も類魂の一つの形といわれています。よく守護霊は先祖霊になることが多いといわれていますが、必ずしも肉体を持つ人間の家族のグループと、類魂のグループが一致するわけではありません。また、高位の霊で、下位の霊を指導・育成していく存在というのは、そもそも一個の個体ではなく、一種の集合体を示します。霊魂というのは、高位の存在になればなるほど、相互に浸透し合う度合いが増していくのだといわれています。

起源はフレデリック・マイヤースからの霊界からの通信

この「類魂」という概念は、超心理学・心霊研究家だった英国のフレデリック・マイヤースの死後、霊媒を通して亡くなったマイヤースが霊界から自動書記通信を行ったとされる文章の中に示されています。この文章の中では、「グループソウル」という言葉が登場しており、「類魂」というのは、後に、日本で浅野和三郎によって訳されたものです。

マイヤースによれば、一個のスピリットの中には、魂がある程度、20個、100個、1000個と存在しており、その数はスピリットによって大きく異なるといいます。そして、一個のスピリットには、必ず中心霊がいて、それがグループ全体の魂をまとめているのだといわれています。

そして、この類魂の中に存在する一個一個の魂が転生し、霊的向上を目指します。転生が終わったら、その後は魂同士の体験や知識を共有し、類魂全体が霊的な成長を図っていくのだといわれています。

類魂の意識

類魂には、本霊という総括する存在の霊がいますが、その他の霊は分霊と呼ばれます。しかしながら、これらの霊たちの意識は、2つあるといわれています。霊はそれぞれ個性を持ち、個体としての意識を持ちますが、それと同時に、類魂全体としての一つの意識を持つのです。この2つの意識を同時に持つのが類魂の特徴です。

浅野和三郎による著作

浅野和三郎は、

それは、再生についての議論です。そもそも、仏教では「全部的再生説」が提唱されていました。これは、同じ人間が、同じ自分の個性を持ったまま、何度も生まれ変わるという輪廻転生説です。しかしながら、これは進化の法則に反しているため、大自然の法則とは肯定しがたいとするものです。そこで、浅野が数々の実験を重ねた結果、本霊という中心的な霊があり、そこから分かれた霊が、各々で地上の人間となり生活するという考え方に辿り着きました。これが「創造的再生説」です。

類魂と生まれ変わり

類魂は、マイヤースや浅野和三郎の唱えた説のように、輪廻転生説に深くかかわっています。人間は、霊的な進化を目的にこの世に生を受け、修行を行うのだといわれています。それはまるで、類魂の親が、子を地上に送り出すというイメージです。こうして類魂としての霊的進化を遂げていくのです。

しかしながら、再生は弊害もあります。もし地上に悪い行いをし、悪い因縁を作ってしまったとしたら死後、それが霊界にまでもたらされてしまうのです。こうなると、たちまち不純物が混じったようになり、進化の妨げになってしまいます。

また、魂のグループと聞くと、「ソウルメイト」を思い起こしますが、しかし、ソウルメイトは、魂の家族である類魂とは異なる概念です。ソウルメイトは、あくまでメイト=友達であるからです。ソウルメイトとは、一般的には、過去生のどこかで関わりを持ったことがある人間のことを指します。