幽界
幽界とは
幽界とは、一般的には死後に行く世界、つまり「あの世」や「黄泉(よみ)」「冥土(めいど)」として知られている世界を言います。スピリチュアルな観点から見ると「アストラル界」と呼ばれ、今私たちが生きている、「物質界」のすぐ近くにある世界になります。魂やエネルギーの巡る広大な世界は四つの階層から成り立ち、低いところから順に「物質界」「幽界(アストラル界)」「霊界」となり、「神界」が一番高次の世界にあたります。物質界で肉体を持っている私たちの魂は、肉体が死を迎えるとまずは幽界へと行き、それから順に上の世界へと昇って行くことになります。
幽界は、とてもこの現世に似た場所だと言われています。もし今自分がそこにいたとしても、自分が幽界にいるとは気付けないかもしれません。そこにある建物から存在する人まで、現実とそっくりにできている幽界は、人の想像するものがそのまま具現化する世界です。幽界にいる「人であった魂」、「死後の魂」の思い描くものが、そこには存在します。そのため幽界が「物質世界」ととても似た場所になるのですが、あくまでもそっくりというだけで、まったく同じわけではありません。
多くの人は死んだ後も、それまでの生活を続けようとします。生前の仕事に対する意思の強い人は幽界でもそのままの仕事を続けたり、安心を求め自分の住んでいた家にそのまま住み続けたりします。もちろん望むからそうなるのですが、信仰心の強い人であれば、死後の世界ということで、天国のような場所に神や天使を作り出すこともあります。この場合の神や天使は本物ではなく、その本人が作り出した創造物です。また、生きていた時からの悪しき習慣を捨てられず、自分が苦しみ続ける世界をわざわざ作り出し、そこを地獄化してしまう場合もあります。様々なものが混じり合って存在する幽界は、物質世界と似て非なる場所であり、感情と思考が入り混じる混沌とした場所でもあるのです。
生きている人間と幽界
本来、肉体を失った魂の行く場所としての幽界ですが、生きている状態でそちらに行くことがあります。もちろん肉体を持ったまま行くのではなく、自らの精神が少し幽界を覗き見る形で、人は夢を通して幽界を訪れるようです。現実とそっくりだけど、何かが少し違うと感じる夢などは、幽界を見ている可能性が高いです。特に、眠ったのに疲れが取れていない時にこのような夢を見たのであれば、自分が寝ている間に幽界に行って、何らかの活動をしてきたのだと考えられます。
また、幽界はこの世界よりも一つ上の層にあり、幽界で具現化したものがこの現実世界で物質化することも多々あります。幽界で行われていることは、こちらの世界で起きる一つ前の段階とされ、幽界でのエネルギーの動きは、私たちの世界にも影響を及ぼすのです。
幽界の階層
幽界には、その中でまたいくつかの階層が存在しています。一番低い物質界に似た階層は死んだ直後の魂が留まっているところで、上の階層に行くごとに魂は純粋なエネルギーとなり、物質世界のことを忘れ、それぞれが持つ本来の輝きを取り戻して行きます。そうして次の段階へ行く準備ができると、魂は幽界から霊界へと昇って行くのです。