妖精

時に人間を助け、時に邪魔をする、気まぐれな隣人

妖精のイメージ

妖精とは、魔法の力や自然的な力を宿した精霊のことです。西洋の物語や伝説に多く登場します。小柄で人の姿をしている小人妖精は、総じて「ノーム」と呼ばれます。働き者やいたずら好き、意地悪な性格など、妖精のタイプも様々。その扱いは難しいですが、妖精が持つ強い魔力を欲して、使い魔にしようとする魔法使いもいます。

妖精はタイプによって名称が異なる

ドワーフ

童話『白雪姫』に登場する7人の小人たちは、ドワーフと呼ばれるタイプです。人間よりも少し背の低い種族ですが、小さい身体ながら力が強く、主に山の中の金鉱に入り採掘を行います。また、手先が器用で、高度な鍛冶技術や工芸技能を持っています。

ゴブリン

ドワーフ同様、人間より背が低い妖精です。外見は老爺の姿で、ひねくれた性格のためか、怖い表情をしている者がほとんど。しかし中には、ひそかに家事を手伝ってくれる善良なゴブリンもいます。善良なゴブリンは、「ホブゴブリン」という名称で区別されます。

ピクシー

ピクシーは、背中に羽が生えていて、体長5~10センチと、小人妖精の中でも特に小さい姿をしています。普段は透明で人には見えませんが、頭に四つ葉のクローバーをのせるとその姿を見られるようになると言われています。いたずらが好きで、怠け者をつねって驚かせたり、ポルターガイスト現象を起こすなど、とにかく人間の手には負えません。

ブラウニー

スコットランドやイングランドの北部の家庭では、必ず一人はいると言われている妖精です。民家に住み着き、その家を繁栄させるなど、日本の座敷童に近い存在かもしれません。古くからの慣習で、夜、ブラウニーのために台所にミルクを置いておきます。これを忘れると、ブラウニーは怒ってその家を出て行ってしまうのです。

レプラコーン

童話『小人の靴屋』にも登場する、有名な妖精です。靴を作るのが得意で、家族や仲間と一緒に靴屋に住んでいます。彼らが靴を作る目的は、お金をたくさん稼ぐこと。目標を達成すると、働くのを止めてしまうと言われています。

今回ご紹介したのはごく一部で、このほかにもたくさんの妖精が存在します。妖精の中には、人間に悪さをするいたずら好きな妖精もいますが、どこか憎めない、愛すべき存在として、西洋の人々の間で語り継がれているのです。