座敷童子

座敷童子とは

座敷童子のイメージ

座敷童子(あるいは座敷童)に出会うと、運気がアップして幸せが訪れるという伝承があります。東北地方を中心に、座敷童子の存在は確認されています。とはいうものの、座敷童子を見たいと思ってもそこら辺にいるわけではありません。そもそも、座敷童子とは何なのでしょうか。座敷童子に出会える場所をはじめ、座敷童子の説明と伝承を解説するので、運気を上げに訪れてみるのも良いでしょう。

座敷童子とは|幸福をもたらす妖怪?

座敷童子とは、子どもの妖怪です。しかし醜い妖怪ではなく、人間の姿をした妖精のような風貌をしているのが特徴。岩手県を中心に東北地方に伝わる伝説で、「見た者は幸せになる」とされています。つまり、座敷童子は出世運や金運、結婚運など様々な運気を上げてくれる幸福の妖怪なのです。なお、座敷童子は呼ぶのではなく住み着くもの。すべての施設や民家にいるとは限りません。たとえ座敷童子がいたとしても去ってしまうと、災難や一家離散などの不幸に見舞われると言われています。

座敷童子の容姿

座敷童子の容姿については諸説ありますが、年齢はだいたい5~15歳というのが定説です。赤ら顔をしていて、髪型はおかっぱ頭。服装は男児なら黒っぽい着物姿、女児は赤い着物かちゃんちゃんこ姿が多いようです。まれに赤い着物ではなく、白い着物を着ている座敷童子もいるようで、見るとより幸運が訪れるという噂もあります。なお、座敷童子を見るのは子どもが多いようです。心に穢れがなく純粋で正直な人を好むのかもしれません。また、座敷童子と波長が合う人や霊感が強い人も存在を感じやすいでしょう。座敷童子のエネルギーを利己的な目的や、悪い行いに利用しようと考える人の前には現れません。

座敷童子と出会える場所5選

座敷童子は東北地方が発祥なので、出会える場所は東北地方が多いです。しかし、呼び名は違うものの全国的にも座敷童子は存在します。愛知県の「座敷坊主」、徳島県の「アカシャグマ」などが有名な例でしょう。全国の中でもとくに座敷童子に出会えることで有名な場所を紹介します。

緑風荘(岩手県二戸市)

岩手県二戸市の金田一温泉「緑風荘」は、座敷童子が高確率で出没する旅館として有名です。多くのテレビ番組に取り上げられており、予約は数年待ちという現象も起きているほど人気ぶり。緑風荘では先祖代々に渡って座敷童子を崇めてきた旅館で、中庭には座敷童子と稲荷を祀る「亀麿神社(わらし神社)」があります。実は緑風荘は2009年に火災が発生し、旅館が焼失してしまいました。しかし、祠のある亀麿神社(わらし神社)は不思議なことに被害に遭わなかったのです。また、従業員も無事に非難できたこともあり、座敷童子のエネルギーが満ちた場所だと改めて知れ渡りました。火災を機に旅館は2016年にリニューアルオープン。座敷童子が出ると言われる「槐(えんじゅ)の間」は宿泊ができないものの、24時間開放されていて宿泊客はいつでも見学可能。写真にオーブが写ったり気配を感じたりする人も珍しくありません。

【座敷童子伝説の宿 緑風荘】

住所:岩手県二戸市金田一字長川41
アクセス: JR二戸駅よりIGRいわて銀河鉄道 「金田一温泉駅」下車、タクシー5分

菅原別館(岩手県盛岡市)

岩手県二戸市の金田一温泉「緑風荘」と同じくらい、座敷童子が出る旅館として知名度が高いのが岩手県盛岡市にある「菅原別館」。菅原別館には座敷童子にまつわる話が2つあります。1つは大女将の実家の由来。大女将の実家には、先祖代々火の神様が村の鎮守として祀られており、この火の神様が座敷童子であったということ。2つ目は、先代の祖母が体験した座敷童子の話が遠野物語のもととなり影響を与えたということです。そのためか旅館の各部屋に座敷童子が現れるようです。「24号室」は最も座敷童子に出会える確率が高い部屋で、見ると出世すると言われています。ほかには「22号室」と「23号室」は勝負運、「25号室」は玉の輿運、「26号室」は新しい挑戦をする人におすすめの部屋。座敷童子を感じた人はオーブを見たり足音を聞いたりしているようです。

【出世の宿 旅館 菅原別館】

住所:岩手県盛岡市天神町1-30
アクセス: JR盛岡駅よりバス「つつじが丘行」または「水道橋行」乗車「天満宮」下車、徒歩1分。

タガマヤ(山形県東村山郡)

山形県東村山郡にある「タガマヤ」は、清々しく澄み渡る自然の中にあります。地元の方はこの澄んだ自然が座敷童子を呼び寄せたと語っているようです。タガマヤの特徴は1日一組限定で宿をまるごと貸切れること。古民家をリノベーションして作られた施設で、家族や仲間と水入らずでゆったりとした時間を過ごせます。たくさんの人形やおもちゃ、千羽鶴が部屋に飾られていて座敷童子が出てきそうな気配があります。宿泊客の中には部屋にあるオルゴールが勝手に鳴ったり、走り回る足音を聞いたりしている人もいるようす。タガマヤで開催された男女15人の婚活パーティーでは9組のカップルが誕生したことから、結婚や縁結びのご利益はお墨付きと言えるでしょう。

【幸せを呼ぶ座敷わらしの宿 タガマヤ】

住所:山形県東村山郡中山町大字柳沢41
アクセス:山形自動車道寒河江ICから車で15分

座敷わらしさん家(山口県山口市)

山口県山口市にある旅館「座敷わらしさん家」は、400年間歴代の村長を輩出した歴史がある旧山見邸を改築して作られた宿泊施設です。旧山見邸には古くから座敷童子がいるといういわれがあったとのこと。歴代の村長が生まれたことから、縁起が良く開運のパワーが強いことは間違いないでしょう。また、もともといた座敷童子と一緒に、山形県東村山郡の「タガマヤ」からお御霊分けした座敷童子も祀られています。宿を貸し切って別荘のように利用できるのも特徴です。宿泊のほかに、事前予約が必要な「古民家体験(参拝)」や、50分単位の施設利用ができるので短時間だけでも座敷童子がいる空間を楽しめます。

【座敷わらしさん家】

住所:山口県山口市阿東徳佐中東畑4034
アクセス:山陽自動車道の防府西ICから60分

若一神社(京都府京都市)

京都県京都市にある「若一神社(にゃくいちじんじゃ)」は平家に縁がある神社。平清盛が熊野詣にて熊野権現の第一王子である「若一王子」の御神体を発見して祀ったのが若一神社のはじまりです。若一王子の御神体を祀った後に清盛が太政大臣へ昇格したことで、とくに出世や仕事運にご利益がある神社とされています。また、出世運のみならず幸運をもたらすとも言われているのは、境内に座敷童子がいるためでしょう。若一神社の鳥居前には平清盛が植樹した樹齢800年もの大きな楠木があります。この楠木に座敷童子が宿っていると言われていて、写真を撮るとオーブが写ることもあります。社務所には家庭運上昇や家族繁栄を祈願した座敷童子のお守りも売っていて観光客を中心に人気です。

【若一神社】

住所:京都府京都市下京区七条御所ノ内本町98
アクセス: JR「西大路」駅下車、徒歩約5分

座敷童子に会いに行こう

座敷童子は、神様や妖精といった高次元に近い子供の妖怪です。本来は見た者に幸福を与えてくれますが、嫌われて家から去ってしまうと不幸が訪れる怖い一面もあります。岩手県を中心とした東北地方が発祥なので、座敷童子に出会える施設は圧倒的に東北地方が多いでしょう。そして座敷童子はその家や建物に住み着くため、出会う場所は限られてしまいます。しかし、座敷童子の存在を感じた人は出世したり幸運を手に入れたりと、運気が上がっているので足を運んでみる価値は十分にあるでしょう。