ドッペルゲンガー

ドッペルゲンガーは自分の生霊か?

ドッペルゲンガーのイメージ

世の中には、自分に似た人が3人いるといわれています。この現象をドッペルゲンガーと呼ぶ人は多く、見ると死ぬという噂さえあります。なぜドッペルゲンガーに会うと死ぬのでしょうか。今回はドッペルゲンガーを詳しく解説したうえで、見ると死ぬといわれる理由を探ります。

ドッペルゲンガーとは、ドイツ語で「重なり歩く者」。言いかえれば生き写しです。巷では自分と似ている人がこの世に3人いるという迷信がありますが、これはドッペルゲンガーではありません。ドッペルゲンガーとは第三者ではなく、自分自身の魂なのです。そっくりさんであれば、この世に3人といわずもっといるはずでしょう。

他人の生霊が憑く可能性は大いにありますが、自分の生霊との接触は不可能に近いのです。それゆえ、ドッペルゲンガーは不吉なのです。

ドッペルゲンガーの特徴

【特徴①】自分に縁がある場所にいる

ではいったいドッペルゲンガーはどこにいるのでしょうか。

まず特徴としてドッペルゲンガーは自分が訪れた場所に現れるといいます。自分の魂なので縁のある地や生活圏内にいるのでしょう。また、ドッペルゲンガーに会うのは自分自身とは限らず、周囲があなたのドッペルゲンガーに会うことがあるのです。友人や家族に「あなたあの場所にいたよね?」とまったく記憶にない質問をされたら、相手はドッペルゲンガーだった可能性が高いと考えられます。

【特徴②】鮮明に見える

ドッペルゲンガーに遭遇するときは、数十㎝から数mの至近距離で認識できるようです。「電車の中で自分らしき人を見た」というあいまいな感覚ではなく、「間違いなくこれは自分だ」と断定できるくらい鮮明に見えるといわれています。自分自身が遭遇した場合に限らず、周囲があなたのドッペルゲンガーを見るときも同じです。「もしかして」の不確定な状況ではなく、疑いようのない近距離で見えるため、あなた本人と出会ったと勘違いをするのです。

【特徴③】動かない・同じ動きをする

ドッペルゲンガーは出会ったときにまったく動かないといわれています。近寄りもせず逃げもせず、ただ目が合うだけでじっとしているのだとか。ドッペルゲンガーは自分の魂で肉体は持たないため、単に動けないとも考えられます。また、ドッペルゲンガーに出会ったときに動かないという説のほかに、同じ動きをする説があります。ドッペルゲンガーに対してアクションを起こすと、同じ動きで呼応するようです。魂と肉体は通じているため合わせ鏡のように、自分の姿を映し出しているのかもしれません。

ドッペルゲンガーを見ると死ぬといわれる理由

シルバーコードが切れた

人間は魂と肉体、そのどちらかが欠けると生きていられません。この魂と肉体をつなぐ線はシルバーコードといい、命綱のような役目を果たしています。断ち切れると魂が肉体に戻れなくなってしまうのです。ドッペルゲンガーの現象は何かの拍子にシルバーコードが切れて、お互いが分裂した状態にあると考えられます。分裂すると肉体も生命力も弱り果て、どちらも存在しなくなるのです。つまり死を表すといえるでしょう。

著名人の死

ドッペルゲンガーを見ると死ぬ噂が広まった理由として、著名人の死が関係していると考えられます。ドッペルゲンガーを見た体験談は世界中で報告されていますが、中でも有名なのがアメリカの第16代大統領エイブラハム・リンカーンの話。リンカーン大統領は多くの超常現象を体験しており、1865年に暗殺されることまで予言していたようです。ドッペルゲンガーを見たのは1860年の大統領選挙の夜。ふと鏡を見ると、自分以外に青白い顔をした自分の顔が映っていたといいます。もし実話であれば、ドッペルゲンガーを見て5年後に亡くなったことになります。

さらに、日本の著名人にもドッペルゲンガーを体験した人がいます。それは、文豪芥川龍之介。自身の不気味な幻視や妄想を描いた晩年の代表作「歯車」は、漠然とした不安がテーマで自殺の原因が記録されています。精神障害を疑う一方で、当時の雑誌インタビューでドッペルゲンガーの体験談を語っているため、「歯車」はドッペルゲンガーの体験談とも考察されているのです。

脳障害の可能性

日本ではドッペルゲンガーは霊的障害ではなく、脳障害と捉えられていました。自分の影を見る症状を「影の煩い」と呼んだり、睡眠中に無意識のまま迷い歩くことを「離魂病」と呼んでいたのです。つまり、もう一人の自分を見たら重度の脳障害と判断されたのです。そのため、ドッペルゲンガーを見たら死に至るとされたのでしょう。しかし、特定の人だけではなく、大勢の人が同時にドッペルゲンガーを目撃した事例もあるため一概に霊的障害を否定するのは難しいでしょう。

パラレルワールド

パラレルワールドは現実世界の延長である異次元や、死後の世界とされる霊界・魔界といった現実世界と違う空間のこと。パラレルワールド説では時空の乱れによって魂が別世界にいざなわれ、現実世界に自分が存在しなくなると考えられています。もしくは、タイムマシンやテレポーテーションで時空間の往来ができ、未来の自分が現実世界にやってきたという説もあるようです。ドッペルゲンガーを見ると死ぬといわれるのは、パラレルワールドに巻き込まれ現実世界に戻れなくなった状態を指すのです。

ドッペルゲンガーを見たときの対処法

では仮にドッペルゲンガーを見たらどう対処すればよいのでしょうか。実際に遭遇したリンカーンと芥川龍之介は何もしなかったようです。目の前に突如として自分の分身が現れて、ただただ驚いたのでしょう。結論として、これといった対処法はないようです。

急所を狙うと効果的?

急所を狙って仕留めるのが効果的という噂があります。しかし、パラレルワールド説が本当だったらどうでしょう。現実世界の自分が未来の自分を殺せば、自分は未来では存在しなくなります。捉え方によれば自殺行為ともとれるので危険かもしれません。

「ドッペルゲンガーは高次のお告げ

ドッペルゲンガーを見たら恐怖におののき、死を覚悟してしまうでしょう。しかし、ドッペルゲンガーは超常現象であり一種の都市伝説でもあります。そのため、見たら死ぬとネガティブに受け止めるのはやめましょう。ドッペルゲンガーを見たのを機に心身の病気を疑えば、病気が発覚するかもしれません。何のお告げと捉えて普段の生活に注意を払いましょう。