テレポーテーション

テレポーテーションとは

テレポーテーションのイメージ

テレポーテーションとは、直訳すると「瞬間移動」のこと。いわゆる超能力の一種で、離れた場所に物体や人体が転送される現象及び、その能力のことを指します。今回は、このテレポーテーションについて紹介しましょう。

テレポーテーションとは、物体や人間が、時空を超えて、物質の壁を通り抜けることによって、瞬間的に移動する現象のことです。物質の壁を貫通する形で発生する現象であることから、人間の一般常識や科学の域を超えているために、心霊現象として扱われています。実際にテレポーテーションが発生した時点では、物体や人体が一瞬のうちに移動したことが確かに確認されているため、マジックショーのようなからくりは存在しません。

テレポーテーションのメカニズム

人間や物体が瞬間的に移動するテレポーテーション。果たして、なぜこのような現象が発生するのでしょうか。もちろん、現実的には起きえない超常現象なので、その過程は実に興味深いものです。一般的に、テレポーテーションが起きるメカニズムとしては、次の2つがあるといわれています。

  1. 一度、四次元空間に移動し、三次元空間に戻る
  2. 一霊的な存在が、霊界で物質を一度非物質化して、再結合させている

1については、我々が住む世界を三次元空間とし、それと境界を異にする四次元空間が介しているのではないかという説です。つまり、一度人体や物体が、この世の空間とは異なる四次元空間に移動することで、目の前から瞬時に消え去るという考え方です。そして、四次元空間を渡り、再度別の地点における三次元空間に再度引き出されることで、あたかも瞬間的に遠隔地に移動したかのように見えるという説です。

2の説は、霊的な存在が、霊界から物体に何かしら作用して実現しているというものです。テレポーテーション現象が起きる際には、物質が壁を通り抜けるようになりますが、この透過現象を霊が一度非物質の状態に分解された状態になるのと同じ状態と解釈しているのです。いわゆる「幽体(あるいは霊体)」に変化するというイメージです。このように、非物質化するというのは、「霊的進化」を意味しています。その場で物質が霊的物質に変化し、分解されることによって、別地点で再結合されるというのがこの2つめの説です。

幽体離脱との違いは?

テレポーテーションは、幽体離脱現象と比較するとより深く理解することができます。人間にも霊体がありますが、この霊体は、時間と空間を超越して自由自在に移動することができるといわれています。なぜなら、霊体は霊界に属するからです。また、霊体は「瞬間移動」をすることができるため、いつでも思い通りの場所に瞬時に移動することができます。一方、テレポーテーションは、霊体の瞬間移動が関与しているという仮説に基づけば、霊体だけでなく、肉体も合わせて再合成されることになります。瞬間移動の際には、霊体が主になり、遠隔地に移動すれば、たちまち肉体が再合成されると説明されています。

テレポーテーションの事例1

テレポーテーションの事例として有名なものの一つに、ロンドンのウィリアムズ家における交霊実験会でのできごとがあります。交霊実験会が行われていたウィリアムズ家から、5キロほど離れた自宅にいたガッピー夫人という人が、交霊が行われているウィリアムズ家までテレポートしたというものです。これは、交霊していた霊のうちの一つが引き起こしたことだといわれています。テレポートする寸前、ガッピー夫人は暖炉のそばで家計簿をつけている最中だったそうで、一緒にいた友人の目撃証言によれば、突然いなくなったガッピー夫人のいた場所には、白いもやのようなものが漂っていたといわれています。

レポーテーションの事例2

スペインの修道女が、中央アメリカに何度かテレポーテーションをしたという事例もあります。にかけて、メアリーと呼ばれる修道女は、中央アメリカの原住民にキリスト教を布教していたのだそうでした。しかしながら、当時はメアリーの主張に、教会は嘘つき呼ばわりをして、彼女を軽蔑していました。その後、実際にスペインから中央アメリカへ布教活動を行うために聖職者が赴いた際、現地にはすでに過去に修道女が来て、布教していたことが判明したのだといいます。それを証拠に、原住民はすでにロザリオとクロスを持っており、聖杯まで持ち込まれ、祝祭が行われた形跡もあったそうです。その後、中央アメリカに赴いた聖職者たちがスペインに戻り、実際にメアリーから現地の様子を尋ねてみたところ、あまりにリアルに語ったことから、驚きを隠せなかったといいます。そんなメアリーに対しては、船で内密に中央アメリカへ渡ったことも疑われましたが、数々の聖職者たちによって、メアリーはいまだかつて修道院を離れたことはない敬虔な修道女であるとの証言がされ、本当にテレポーテーションしたのではないかといわれるようになったのです。

テレポーテーションの事例3

第一次世界大戦中、ある英国軍の一個小隊が、集団で消えてしまったという事例もあります。それは、、トルコのガリポリ半島での攻防戦のときのこと。丘の上に、英国の一個小隊が霧のように立ち込めている雲の中に消えていった様を、ニュージーランド陸軍の兵士3人が目撃したとのことでした。一個小隊はおよそ1時間かけて雲の中に消えていき、その後、雲はゆっくりと上昇して、他の雲に混ざって何事もなかったかのように消えていったのだそうです。に終戦の年を迎え、英国に負けたトルコは、英国側から捕虜の一個小隊を解放するように要求されましたが、その英国の主張が一向に解せませんでした。なぜなら、トルコ側は一切そのような一個小隊を捕虜にした覚えはなかったからです。しかし英国側としては、特に遺体が見つかることもなく、その一個小隊は消息不明のままとなっていたので、まだトルコの捕虜にされているのではないかと疑ったのです。しかし、その後も事実が解明されることはなく、この出来事はテレポーテーションのエピソードの一つとして、謎に包まれたまま語られ続けています。

テレポーテーション事例4

あのナポレオン・ボナパルトのもとで活躍した猛将であるミシェル・ネイ元帥は、ナポレオンが島流しになった際に、フランス国王によって反逆罪で処刑されました。このネイ元帥について、アメリカでフランス語教師を務めていたピーター・スチュアート・ネイが、死に際に「かつて自分はネイ元帥だったことがある」と語ってから、大きな問題になりました。現に、このネイ氏が亡くなった後、死体には大きな傷跡が体中に残されており、まさにネイ元帥が戦時中に受けた傷跡と酷似していたというのです。フランス語教師ネイ氏が、あのナポレオンに追随したネイ元帥と同一人物であることは、後にかけつけた筆跡鑑定家によっても証明されました。その筆跡は確かに同一人物だったのです。ネイ元帥が当時、アメリカまで亡命するのはとうてい困難と考えられる中、一つの可能性として、テレポーテーションによるものではないかという説が挙がっています。

アポーツ現象とは?

テレポーテーションに似た現象で、「アポーツ現象」と呼ばれるものがあります。これは、遠方からさまざまな物体が突如として出現し、どこか別の場所から運ばれてきたかのように見える現象のことです。このアポーツ現象によって、過去に運ばれてきたとみられる物品には、水晶の玉や、骨董品、アクセサリー、コップなどがあり、中には、魚や鳥などの生きた動物や生物たちも含まれます。

このアポーツ現象を実際に、霊能力で行ったとされる人物に、長南年恵さんという人がいます、彼女は明治時代に生きた女性で、空の瓶に聖水を満たし、病気の人々に飲ませることで治療していたといわれている人です。その後、あらぬ疑いをかけられ、監獄に拘禁された際、霊水やお守りなどをアポーツ現象で取り寄せることで、無罪放免で釈放されたことで有名です。テレポーテーションとの違いは、アポーツ現象が物体の瞬時の移動を指すのに対し、テレポーテーションは人間の瞬時の移動を指すところにあります。

量子テレポーテーションとは?

量子テレポーテーションとは、「量子もつれ」と呼ばれる複数の粒子がセットの状態で重なりをつくる性質を生かして、物質の状態を迅速に遠くへ移すことをいいます。よって、一般的なテレポーテーションの意味合いとは異なります。簡単にいえば、形あるものが今目の前にあるとして、それがバラバラの粒子となって、今ここから遠くの離れた場所に移動するということです。このとき、遠く離れた場所で物体が再構成されます。

世界で初めて光の量子テレポーテーションに成功させたのが、東京大学の古澤明教授です。古澤教授は、工学系研究科の物理工学専攻の教授で、実現は難しいといわれてきた有名な実験を組み合わせることで、光のテレポーテーションを成功させました。当時、世界中の科学者たちは驚愕したといわれています。量子テレポーテーションとは、いってみれば「ブラックボックスのようなものに物を入れ、それをバラバラにした情報を使い、別のブラックボックス内で、バラバラにする前とまったく同じものを粒子から組み直す技術」と説明されます。このメカニズムを利用して、ブラックボックス内にプログラムを投入して読み替えることによって、一つのブラックボックスへの入力と、他方のブラックボックスへの出力の両方が実現するといわれています。コンピューターを用いて実行すれば、自由に入力したものを、別のボックス内で出力するということが可能になります。この「量子コンピューター」としての活用も大いに期待されています。