霊感
霊感というと通常は直感と同義の言葉として理解されています。しかし心霊学では、映像(霊視・透視)や聴覚情報(霊聴)に拠らず霊界の情報を得たり、霊から特別な啓示を受けたりする能力を霊感と定義しています。霊能力を持たない一般の人でもときに霊感の閃き(インスピレーション)を経験することがありますが、これは霊感というものが全ての人間に潜在的に備わった超感覚であることの証左です。とくに芸術家や科学者など創造性が重視される職業に就いている人は、霊感の閃きを経験することが多いようです。
実力のある霊能者の場合、この霊感が一般人とは比べものにならないほど強く、そして鋭く研ぎ澄まされています。対象となる人や物に接すると自動的に霊感が働き、それらに関する霊的情報が頭の中に流れ込んでくるのです。霊能者の中には、相談者から事前の説明を受けなくても相談事の内容を分かってしまう者もいますが、これは霊感の為せる業です。
霊能者だけでなく一般の人でも、ある程度までなら霊感を磨くことは可能です。
- 集中力を途切れさせることなく一心不乱にひとつの事柄に打ち込み続ける。
- 毎日、一定時間を瞑想に当てる。
- ある一定期間、精進潔斎して穀物や肉類を絶ち、水垢離の行を続ける。
こうしたことを続けることによって霊感が顕在化しやすくなり、人生の様々な場面で霊界からの啓示を受けるようになります。ただしそれは一方的に天から降りてくるものであって、人間の側が自己の意志で自由に霊感を得るということはできません。
これに対して霊能者は霊感自体を自己制御することができます。自分が何かを知りたいとき、霊的身体の中でアンテナのようなものを広げて必要な情報を傍受するのです。それは特定の人の気持ちや思考である場合もありますし、霊のメッセージや霊界に関わる情報であることもあります。とにかくどのような物事でも自由に読み取ることができるのです。もちろん相談者がいる場合はその求めに応じて、様々な事柄を霊感で把握します。
ある有名な霊能者の言葉によると、「人や物に意識を集中するだけで、それに関する様々な情報が頭の中に流れ込んでくる。後はそれらの情報を取捨選択して整理し、相談者に取って必要とされる事を伝えるだけ」とのことです。
霊感という超感覚は全ての霊能者にとっての神秘力の源泉であり、あらゆる霊能技法の基盤となる能力であると言えるでしょう。霊視にしても未来予知や霊聴にしても、所詮は霊感のバリエーションでしかありません。