霊能者

霊能者のイメージ

霊能者は、霊能力を持つ人のことで、その力を使って霊界と現世、霊的存在と人との間をつなぐ存在となります。霊能者の能力は、その人の霊体部分に属していますが、その能力は自分以外の人や霊のために使われることがほとんどです。

霊能者にできることとできないこと

霊能者はその霊能力を利用して、過去から未来までを見通すことができ、物や体の一部に残された念からその持ち主の動向を知ることができ、生霊とも死霊とも交信することができます。まるで万能です。そんな霊能者には、できないことなどないかのように感じられます。

もし強力な霊能力を持つ霊能者がその能力を全て自分のために使ったなら、世界の独裁者となるか大犯罪者となるか二つに一つかもしれません。それほどの可能性を秘めているのです。しかし、霊能者の持つ能力は霊能者自身の欲のために使われることはほとんどありません。世界中の霊能者たちがこぞって、自分こそはとその能力を駆使していけば、人間社会のルールはあっという間に意味をなさなくなってしまうでしょう。霊能力者の中には、このように自分の我や欲を優先してしまう「悪徳霊能者」や「偽(ニセ)霊能者」と呼ばれる人も多くいます。

一方で、本当に強い霊能力を持つ霊能者は、その能力を正しく使うことができるだけの徳や自制心を備えています。言い方を変えると、霊能力にふさわしい人格や品格を持たない霊能者は霊界からも信頼されず、霊能力を十分に発揮することができないのです。霊能者は、霊の力を使って正しい形で霊能力を使う限りは霊たちとの関係を良好に保つことができ、より強い霊能力を持つことができますが、歪んだ形で利用しようとすれば、霊たちの影響を悪い意味でも強く受けることとなり、能力を発揮できなかったり、破滅してしまうこともあるといわれています。

本物と偽物の見分け方

世の中に霊能者と名乗ったり呼ばれたりしている人は大勢いますが、残念ながら、その中には本物と偽物が混じっているといわれています。霊能力は、必ずしも目や耳で確認できる能力ではないため、時にはまったく霊能力がない人であっても、自分を霊能者だと周囲に信じこませることができるのです。そのため、霊能者に相談したいと考える時には、本物の霊能者と偽物の霊能者を見分けることがとても重要です。また、自分自身に霊能力があるのでは感じている人にとっても、自分の霊能者としての能力の真偽は確認したいものです。

霊能者の本物と偽物を見分けるには、霊能力をどのように使っているかがもっとも重要な判断材料になります。本物の霊能者は、必要以上のお金儲けや人気取り、あらゆる種類の自分の欲を叶えることへと結びつく行動はとりません。誰よりも自分自身を厳しく律しているはずです。

一方で偽物の霊能者は、話術や知識や態度などで自分を霊能者として見せる術を心得ていることが多く、十分な霊能力を持たない人からは区別をつけにくいこともあります。ただし、ある程度の期間に渡ってその言動を観察していくと、それが作られた偽物なのか本物なのかは、その霊能者自身の言動が常に致しているかどうかで自然と見えてきます。偽物の霊能者や低級な霊能者による霊的な措置や術を受けた場合、状況が好転しないばかりか、かえって悪い方向へと転がってしまうこともあります。霊能者に相談する場合にも、自分自身が霊能者となる場合にも、真偽の見極めは非常に重要なのです。

職業としての霊能者

近年になって霊能者という職業が認識されてきました。それでも、本物の霊能者は自分自身の生活の糧は別の職業で賄い、霊能力は人助けのために限定して使用していることも多いようです。しかし日本には、古来霊能力を職業としてきた霊能者が存在しています。主に死者の霊との交信を行うイタコはその代表的な例でしょう。また、宗教的な職業である僧侶、神官や巫女などの中にも霊能者が含まれていますし、呪術師や占い師と名乗る人の中にも霊能者はいるとされています。ただし、彼らは自らを霊能者と名乗ることはほとんどありません。

気軽な占い感覚であれば、霊能者の真偽や能力の強さにこだわらなくても大丈夫だという人もいます。しかし、霊能者は人の霊的な部分に触れて影響を与える可能性があります。信用に値する霊能者以外に相談したり術を受けたりするのは時に危険でもあります。霊能者を頼る必要がある時には、十分に調査し吟味した上で、正しい霊能力を使いこなす本物の霊能者に依頼することが大切です。