守護霊と背後霊

守護霊と背後霊のイメージ

守護霊とは人間を背後から見守り、現世での霊的な目的を完遂できるように指導する霊のことです。元々、日本にあった言葉ではなく、英語の Guardian Spirit という言葉を明治から昭和にかけて活動した心霊学研究家の浅野和三郎が訳した名称です。通常は千年近く前に人間として存在したことのある、非常に遠い先祖などが守護霊となります。ただし、特別な社会的使命や才能を持って生まれてきた人(政治家や科学者、哲学者、芸術家など)に限っては、過去に同じ分野で活躍した霊が守護霊となることもあり、守護霊=先祖霊とは一概に言えません。いずれにしても、守護される人と波長の合った縁の深い霊が守護霊になることは間違いないようです。

生涯にわたって同じ守護霊が守護し続ける場合もあれば、守護されている人物の霊的成長に伴って守護霊もより高いレベルの霊的存在に交代する場合もあります。さらに一人の人物に複数の守護霊がついているというケースも稀に見られるようです。上記のように守護霊の目的は、自分が護る人間が人の道を逸れずに正しく人生を歩み、さらにその過程で現世に生まれてきた霊的使命を完遂できるようにサポートすることであり、決して現世利益的なことを実現してくれるわけではありません。

どのような霊でも守護霊になれるわけではなく、霊界において修行を続けてある一定レベル以上の高い霊性に達したごく一部の霊のみがその役割を引き受けることができます。ほとんどが高級霊界や神霊界に近い領域に住まう存在であり、縁のある人間を守護することによって自己研鑽し、霊的存在としてのさらなる高みを目指しているのです。すなわち守護する人間を霊的に進歩させることは、守護霊自身の修行でもあるわけです。

しかし、その一方で守護霊の霊格の高さが災いして直接的には現世に関与しにくい、という側面も持っています。そのため守護霊は、背後霊という別の霊集団に命じてある意味、間接的に人を守護することになります。この背後霊は、指導霊(Guide Spirit)、支配霊(Control Spirit)、補助霊(Helper Spirit)から構成されており、守護霊と彼らを総合して守護霊団と呼びます。

守護霊団の構成と役割

守護霊(Guardian Spirit)
守護霊団の司令塔的役割を持つ霊。配下の背後霊たちに命じて、守護する人間の霊的覚醒と霊的成長を促す役目を負っている。
指導霊(Guide Spirit)
守護する人物の社会的パーソナリティや才能、職業適性などを司る。生前、同じ職業に就いていた霊がこの役目を負うことが多く、例えば芸術家には同じ芸術家の霊、宗教家には生前に宗教家であった霊がつく。守護する人物の才能や適性を伸ばし、現世の糧を得るための職業を決定する際に強く働く。また仕事や趣味などの面で良きインスピレーションを得るときには、裏でこの霊が働いている。
支配霊(Control Spirit)
守護する人物の人生行路のコースの概略を司る。結婚や就職、家を建てての定住など人生の大きな転機を迎えるときなどにとくに強く働く。生涯の伴侶や親友(ソウルメイトツインソウル)との出会いを導くのもこの霊の仕事。
補助霊(Helper Spirit)
指導霊と支配霊の意志を物質世界において円滑に反映できるようにサポートする霊。多くは守護する人に縁の深い先祖霊などがこの役目を担う。霊界と現世の橋渡し的な仕事をすることになるため、亡くなってから百年、二百年以内の比較的現世に近い領域にいる霊が補助霊となることが多い。

霊能者の中には特定の人物の守護霊や背後霊と交信し、そのメッセージを仲介する能力を持つ者がいます。大抵の場合は最も物質世界に近い領域にいる補助霊とコンタクトして守護霊団の大まかな意向などを聞き取るのですが、非常に高度な霊能を有する霊能者に限っては守護霊自体と直接コンタクトし、相談者の人生を大きく変えることもできます。