幽体離脱

幽体離脱のイメージ

幽体離脱(体外離脱)とは、自分の意識(霊体)が肉体の外部へ抜け出す感覚が生じ、ベッドに寝ている自分自身の姿を上から見下ろしたり、幽界と現実界の狭間を浮遊したりするなど、常識ではあり得ない事象を体験する現象のことです。英語ではOut of Body Experienceと呼ばれ、一般にOOBEと略されます。

幽体離脱現象が最も多く経験されるのは臨死体験時であり、最近ではそうした事例を集めた専門書や一般書も出版されているので、『臨死体験の~』といったタイトルの本を目にしたことがある方もいらっしゃるかと思います。

幽体離脱は人為的に行うことも可能であるとされています。その方法は海外の魔術用語ではアストラルプロジェクション(星幽体投射)という名称で呼ばれます。

これについて有名な魔術研究家のW.E.バトラーは「イメージによって精妙な物質でできたアストラルボディを作り上げ、その身体に自分の意識を投射することで、その身体に乗り移り、自分の肉体を離れてアストラル界を旅することができる」と述べています。

人為的な幽体離脱(アストラルプロジェクション)の方法例

  1. あらかじめ肉体のコンディションを整えておく。疲労感や倦怠感、肉体的な痛みなどがない健康な状態で行う。
  2. 実践するのに理想的な季節は四月~五月。または九月~十月。気温、湿度ともに比較的安定している時期が望ましい。また月が新月になる日は避け、なるべく月満ちて満月になるまでの期間に行う。
  3. 室内の状態は適度に暗くし、騒音を遮断する。その部屋のベッドか床の上に仰向けで寝る。幽体の離脱は頭頂部付近から抜けていきやすいので、頭部側に障害物などのない広々とした空間である方が良い。
  4. まず、自己催眠による弛緩法(全身の力を意識的に抜いていく訓練)や呼吸法などを用いて、肉体と精神を深いレベルまでリラックスさせる。
  5. 深いリラックス状態をキープできるようになったら、次に寝ている自分の肉体と瓜二つの輝く分身が向かい合う形で宙に浮かんでいるイメージを作り上げる。それが完璧にできるようになったら、全身の力を抜いて頭部の側から順にその分身へ乗り移っていく。

こうして箇条書きにするといかにも簡単なようですが、実際にはかなりの訓練を積まないと上手くは行きません。また幽体離脱は個人的な資質にも左右され、誰でもができるというわけではありません。あなたが本当に幽体離脱を目指すのなら、しかるべき師匠について正しい訓練を重ねる必要があるでしょう。

幽体離脱に成功すると肉体と幽体を結びつける輝く紐のようなものが存在していることに気づきます。この紐は幽体が浮遊し始めた後も、どこまでも伸びていく形でずっとつながっています。これは幽体を肉体へ引き戻そうとする霊的引力が視覚化したものです。

幽体は非常に柔軟でどんな姿勢を取ることも可能です。また、そのまま空を飛翔することもできます。屋内はもちろん、戸外の風景なども自由に見ることができますが、それらは全て物質次元と重なった幽界次元の景色です。さらに浮遊の最中、人間を初めとする生物らしき存在に出会うこともありますが、これもまた幽界の存在であることが多いようです。このような幽体離脱の状態はアストラルトリップと呼ばれ、その具体的な様子や感覚については心霊学関係の解説書に詳しく書かれていますので、興味のある方はぜひ、ご自分で調べてみてください。

[付記]

人為的に幽体離脱を起こす方法としては上記のようなオーソドックスなやり方の他、ヘミシンクという手法も比較的よく知られています。

ヘミシンクとはアメリカの超心理学研究家、ロバート・モンロー(1915~1995)が発案した独自の技術で、ヘッドフォンを装着した左右の耳から波長がわずかに異なる音を聞かせることで右脳と左脳の脳波を同調させて(バイノーラルビートと呼ばれる特殊な音響技術)変性意識状態へと移行させ、それによって人為的な幽体離脱現象を引き起こす、というものです。この技術についてはモンロー研究所公認のセミナーが日本国内でも常時開催されている他、ヘミシンクトレーニング用のCDなども一般販売されています。