シルバーバーチ

シルバーバーチのイメージ

シルバーバーチを知らずして、現代のスピリチュアリズムを語ることはできないと言われています。しかし実際には、名前を耳にしたことはあるものの、その詳細まで知っているという方はなかなかに少ないのではないでしょうか。英国において、から約60年間に渡って霊的真理を語り続けたシルバーバーチ。その膨大な霊訓は、現代に大きな感動と影響を与えています。

シルバーバーチとは霊のこと

「シルバーバーチ」と聞くと、それはどこの誰なのか、と尋ねたくなる人もいるかもしれません。しかし、シルバーバーチは人間ではありません。3,000年ほど前、すでに亡くなった存在と言ってもいいでしょう。彼は、霊界でも指導的な立場にある霊団の高級霊なのです。イギリス人の霊媒師モーリス・バーバネルを介して、シルバーバーチはこの地上に大きな恵みを与えました。彼は、このバーバネルだけを霊媒とし、他の霊媒師に代わることは一切なかったと言います。彼はその使命を果たすために、霊言霊媒師としてバーバネルを産まれる前から選定し、産まれた後も丁寧に養成したとさえ言われています。

シルバーバーチが持つ使命とは

彼はそもそも、なぜ地上へこのような霊訓を残そうと働きかけたのでしょうか。それはシルバーバーチそのものの意図ではなく、高級霊界の大いなる意志に準じて、地球人類の霊的浄化の一環として、指導霊のメッセンジャーとして霊的真理を語る役目を担っていたと言われています。高級霊界のトップから語り部としての要請を受けたシルバーバーチは、高級指導霊の教えを地上の人に教え諭す使命を地上で果たすべく、準備を開始しました。そのために彼は、「シルバーバーチ霊団」と呼ばれる組織を率い、最適な霊媒師を探しました。その際に選ばれたのが、モーリス・バーバネルです。シルバーバーチによって育成されたバーバネルは、から交霊会を行うようになりました。そして以後、交霊会においてバーバネルの身体を通じて、60年間に渡って霊的な教訓を説いたと言われています。

モーリス・バーバネル

シルバーバーチは、バーバネルが母親の胎内に宿る前から影響力を与え、一体の関係を持つように努めていたと言います。誕生後、日常生活のあらゆることを細かく観察して、バーバネルとの一体関係を保ち続け、物の考え方や身体上の癖を飲み込むようにしたのだそうです。霊と精神と肉体、この3つの面から徹底的に研究したと言われています。その後シルバーバーチは、バーバネル自身を霊的真理への理解へと仕向ける必要を与え、そのための育成を行いました。最初に取り掛かったのは、地上の宗教を数多く勉強させることだそうです。ただ、バーバネルは最終的にどの宗教にも反発を覚え、結局は無神論者になってしまったとの話も残っています。とは言え数々の宗教の学習は彼の精神を開発するのに十分な意味があり、結果的にシルバーバーチによる育成は成功したとされています。こうして、バーバネルが霊媒師になるための準備が整ったのです。やがて初めての交霊会の日が訪れたとき、シルバーバーチはバーバネルを介して発言することに成功します。徐々にコントロールも上手くなり、やがて彼の潜在意識にも邪魔されることなく、自分の考えを100%伝えることができるようになったのだ、とシルバーバーチは後に語っています。

霊媒師の誕生

バーバネルが初めて出席した交霊会は、ある中年の女性霊媒師によるものでした。バーバネルは当時、霊媒師の口を借りて話す霊たちの様子を見て、馬鹿馬鹿しいことだと思っていたそうです。しかし2度目の出席の際に、うっかり居眠りをしてしまったバーバネル。なんとその寝ている彼にインディアンの霊が降りて、バーバネルの口を使って話していたことを後で知らされることになるのです。さらにバーバネルの指導霊とおぼしき霊が名を名乗り、今日までずっと指導してきたことを告げたまで言うのでした。実はこのインディアンの霊というのは、シルバーバーチが地上世界とコンタクトを取るために、ある種の変圧器のような役割として利用した霊だとされています。いわゆる、中間の媒介役、それがインディアンの霊だったのです。

シルバーバーチの霊訓を世界に広めた人物は?

バーバネルのアパートで不定期に交霊会が行われていたから10年余りの時代、意外にも霊言の記録は取られていませんでした。しかし、ハンネン・スワッハーと呼ばれる世界的ジャーナリストが交霊会に出席した後、彼のはからいにより、毎週金曜日の夜に定期的に催されるようになったのです。そして速記によって霊言が記録されることになり、に「シルバーバーチの教え」というタイトルで出版されました。その後16冊もの本が出版されるまでになりました。そしてバーバネル自身が社長を務めていたサイキック・ニューズ紙でも霊言の連載がスタートし、英国はもちろんのこと、世界中から大反響が起こったと言われています。その霊訓の内容は、人間はスピリチュアルな存在であること、貧困・飢餓の撲滅、動物愛護など、さまざまな面で人類を導く内容です。物理的身体は乗り物であり、霊体こそが真の姿であること、そして精神や霊は守護霊の意識であること。また霊界の存在、地上は体験を積むための学校であること、良い行いをすれば霊性が増し、利己的な行いをすれば霊性が悪化することなどがその霊訓の内容でした。

現在でも読むことのできるシルバーバーチの霊訓は、ただ読むだけでなく本質を正しく理解することで初めて、その本当の意味を成すと言われています。それゆえ、今もなお、多くの人に何度も読み返され、研究され、愛読されているのです。