霊媒
霊媒とは特定または不特定の霊を降ろし、自分の身に憑依させて第三者と交信させる能力を持つ者です。その大半は憑霊(降霊)の際にトランス状態(変性意識状態)に陥り、霊との交信中はおぼろげな意識の中にいます。古代より霊媒は宗教的に重要な役割を担い、ときには神官や巫女(シャーマン)として神の宣託を地上へ降ろす仕事をしていました。こうしたシャーマン習俗は世界の至る所に普遍的に存在しており、もちろん日本のイタコも典型的な民間霊媒の一種です。
霊能力の観点から霊媒を語る場合、その能力のレベルがどの程度のものかが重要です。レベルの低い霊媒では自分の意志と関わりなく不特定の霊(多くは低級霊)に憑依されてしまうので、本当に目的とする霊が降りているのかどうかは非常に怪しくなります。たとえ霊自身が「自分は××の霊である」と名乗ったとしても、大概は詐称しています。しかし、霊媒能力のレベルが上がるにつれて次第に降ろす霊を特定することが可能になり、同時に憑依中も自分自身の意識を完全に乗っ取られるということはなく、降霊の場をある程度まで自己制御できるようになるのです。すなわち自由自在に目的の霊を探し出してきて我が身に降ろし、伝達の役目が済んだら霊を速やかに霊界または幽界へと送り返すことができるというわけです。
高度な霊媒能力を有する一部の霊能者は総じて高次元の霊(神霊や龍神などの高位自然霊)を降ろすことも可能であり、そこで下される宣託もスケールが大きくなる傾向があります。また、このレベルまで来ると霊媒と言うよりは預言者と呼んだ方が適切かもしれません。
以上のことをまとめて記すと以下のようになります。
- 下級霊媒
- 霊憑依を自己制御できない。どのような霊が降りているのか自分では分からず、ただその依代になるだけ。意志の力で降霊を終了することもできないので、そのまま呼び出した霊に肉体を乗っ取られる恐れもある。高次元の霊体を降ろすことはできず、浮遊霊や動物霊などの低級霊が寄って来やすい。
- 中級霊媒
- 一応は霊の憑依を自己制御できる。しかし、呼び出した霊が本物であるかどうかを自己判定することは難しく、審神者(さにわ・霊が本物かどうかを判定する特殊能力を持つ人物)を横に置かなくては、正しい降霊をすることは難しい。
- 高級霊媒
- 特定の霊を自由自在に呼び出して自分の肉体に憑依させる。このとき審神者の役目も自らこなしてしまうので、呼び出す霊の素性を間違えることはない。神霊界の存在を初めとする高次元の霊体にもコンタクトすることができ、霊神や龍神、精霊などを自由自在に呼び出せる。また、そこから降ろされる宣託も非常に明瞭。
霊媒とひとくちに言ってもピンからキリまで様々です。もしあなたが鑑定をしてもらう場合は、相手の霊媒が本当に実力のある人物であるかどうかを事前にきちんと調べてください。