儀式魔術

儀式魔術とは

儀式魔術のイメージ

儀式魔術とは、正確には近代西洋儀式魔術と呼ばれるもので、オカルト、秘教(秘密の儀式を重んじる宗教のこと)のひとつの分野になります。カバラを中心にし、古代エジプトやギリシャ神話を取り入れた儀式や瞑想を行い、ときに高等魔術と呼ばれることもあります。儀式の内容によっては道具を使用する場合もあり、数々の様式が存在しています。儀式魔術に用いられる道具としては、魔法円、ローブ、祭壇、魔術の棒、魔術の剣、燭台とろうそく、香炉とお香などがあります。ロープを使用して魔法円を床に敷き、祭壇を準備、香炉でお香をたき、燭台にろうそくを灯した後、魔術には魔法棒や剣を使い、様々な魔術を始めます(魔術は数多くある)。これらが儀式魔法の基本的で、いちばんシンプルな形と言えましょう。

民間の魔術とカニングフォーク

ルネッサンス期、儀式魔術とは一種の降霊術のことを指す言葉でした。ただし、キリスト教の観点からすれば、それは“忌まわしいもの”という扱いを受けてもきました。一方でこれとは別に、自然の理に基づいた賢者の知恵としての自然魔術もあり、これも儀式魔術のひとつとして認識されていました。かつて英国ではカニングフォーク(男性はカニングマン、女性はカニングウーマンとも呼ばれていました)と呼ばれる人たちが、民間魔術として儀式魔術を行う役割を担っていました。もっとも、カニングフォークは魔術師とか賢者とか呪術医などと呼ばれてはいましたが、単なる知識のある者が副業で行っていたケースも珍しくなく、本職の魔術師には及ばないあくまで民間のコミュニティ内での活動が主だったようです。もちろん、中には口の上手い者もいて、カニングフォークの活動だけで生活が成り立っていた者もいたようです。

さて、18世紀よりゴシック趣味が隆盛した英国では、魔術に対してロマン主義的な関心も多く寄せられていました。次に19世紀初頭になると、グリモワールにて儀式魔術が書物としてまとめられ、これによって魔術に対して注目が集まり、19世紀の末頃には魔術結社「黄金の夜明け団」が、カバラとメーソンと薔薇十字的儀礼を体系化し、魔術が世に広まるようになったのです。

主な儀式魔術の技法・行法・道具

技法

  • 召喚(何らかの存在する者を呼び寄せる魔術)
  • 聖別(魔術で必要とする道具を日常の物と分けること)
  • 幻視(現実にはない物を妄想の力で実在させる魔術)
  • 喚起(何らかの存在する者を呼び寄せる魔術だが、召喚が呼び寄せるのに対し、喚起は来るように命令するものである)など

行法

  • 逆向き瞑想(瞑想部屋でその日を起こったことを時間とは逆向きで振り返る事。まず結果を考えてから、その原因が何だったのかを深く思想する)
  • リズム呼吸(四泊呼吸とも言う。4つ数えながら、息を止めたり、空気を吸ったり、吐いたりする)
  • 中央の柱(自分の体に生命の樹を重ねる訓練のこと。頭上から神が降りて来るのを想像し、体全体に神を降ろしていきます)

道具

  • 四大元素武器(火・水・風・地の四大元素を表わす武器のこと。火は棒、水は杯、風は短剣、地はペンタクル)
  • ロータスワンド(黄道十二宮の色に塗られた棒の先に睡蓮の花をつけたもの)
  • 魔法日記(魔術の訓練などの記録、感想を書き残すため)
  • タロットカード(占いに用いられるカード)