恨みの念
恨みの念とは
人の思念や想いは形を持ちませんが、その度合いが非常に強くなると、時に人や物などに直接的な影響を及ぼす力を持つことがあります。中でも恨みの念は、大きな負の力を宿すことがあり、人や物の内側に想念として存在するだけでなく、器である物体から離れても、または元の物体を失ってしまってもなお存在し続けることがあり、その怨念は単独で負の活動を起こし、人々に災いを起こします。
裏切り、敵対心、逆恨みなど、憎いと思う相手を思うネガティブな気持ちが凝り固まることで、恨みの念が生まれます。恨みという感情は形を持ちません。普通であれば、人の心の中に生まれ、大きくなったり小さくなったり、そしていつか消滅していくことも多い存在です。ただ、あまりに恨みが募り、大きく成長すると、念として固まり、その感情の持ち主でさえ簡単にはコントロールできないほどの力を持つことがあります。
恨みの念はどこで生まれ、どこへ行くか
恨みの念は、人や物などの内側に生まれて宿ります。「恨めしい」につながるあらゆる気持ちがその核となり、さまざまな状況がそれを肉付けし、成長させていった結果、簡単には縮小することも消滅させることもできない強固な塊となってしまいます。恨みという感情は人や物の内側に存在しますが、恨みの念となった時には、その存在範囲を広げ、人や物という器から飛び出し、器を死や破壊によって失っても存在し続けることがあります。そのため、恨みの念の存在場所は、この世に生きる人や存在する物、それらの霊体化したものなど、非常に広い範囲にわたり、限定することができません。
恨みの念にはどんな力があるのか
恨みの念の力の大きさは、その念の強さと比例し、より強く恨みを感じ、恨みを重ねていけば、その念は強くなり力は大きくなっていきます。恨みの念の力はまず、それを内側に持つその人や物に影響を与えます。恨みの念を抱えていることによる体調不良や気分鬱屈などは典型的な例といえるでしょう。また、家族などの距離感が近い関係にある者同士は、恨みの念の影響を受けやすく、心や体の不調といった苦しみとして現れるほか、不幸や不運として現れることもあります。しかし、何より大きな影響を受けるのは、その恨みの対象となる相手です。恨みの念に取り憑かれた状況に陥れば、心や体を病み、死に至ることもあります。
恨みの念の憑依
恨みの念は、「誰かを恨むという感情」として、その本来の持ち主から離れた他人の心に入り込むことがあります。この場合、恨みの念に憑依された人は、自分の中で生まれたのではない恨みの感情をその内側で育てていくことになります。この憑依は、恨みの念の本来の持ち主がその器である肉体や形を失った時に、その身がわりを求めることから起こったり、恨みを晴らすための手段として、怨みの対象に近い人や物に憑依したりすることで起こります。また、同じように他人の心に入り込むのであっても、その恨みの対象の内側に、恨みを晴らすための攻撃的な意図をもって憑依するものもあります。この場合、恨みの念は怨みの対象の内側から攻撃を仕掛けることができます。
自分の中の恨みの念から逃れる方法
自分の内側に巣くってしまった恨みの念から逃れるには、恨みの念を持ち続けることで自分が受けるだろう負のエネルギーの大きさ・怖さを知り、恨みそのものを捨てるという心の働きが有効だとされます。恨みを感じた時に、それをできるだけ小さなうちに浄化していきます。その方法としては、さまざまな祈りや生のオーラを受けることのできる術を受けるなどが考えられます。何より、恨みの念を持ち続けても、その恨みを晴らしても、その恨みが大きければ大きいほどに、自分も負のエネルギーを受けるのだとすれば、多くの人は恨みの念を持ち続けることに意味を見いだせなくなることも多いでしょう。
自分に向けられた恨みの念から逃れる方法
誰かに恨まれ、その念を受けている場合には、より真剣に逃れる手段を講じる必要があります。霊能者の占いで恨みの念について詳しく知り、恨みを寄せているだろう相手と話し合いや謝罪といった現実的な接触を持つのも一つの方法です。ただ、念となってしまった恨みに対してそれが効果を表すとは限りません。その場合には、祈祷師や呪術師などの力を借りて、自分に向けられた恨みの念を祓う必要があります。また同時に、恨みの念の影響を受けにくい自分作りも大切です。恨みそのものは、自分に原因がなくても発生してしまうことがあるため、完全には避けきれませんが、その身を浄く保ち、心を安定させ、負のエネルギーにつけ入る隙を与えないという対処法を身に着けることで、ある程度の予防効果が期待できます。
「人を呪わば穴二つ」ということわざの通り、恨みの感情は大きく育ちすぎると、自分をも巻き込む強い負のエネルギーを持つようになってしまいます。恨みを晴らすためには自分自身の身をも削らなければならないと考えると、恨みの念もそのパワーを失うことが多いでしょう。一方で、たとえ自分の身を傷つけてでも恨みを晴らしたいと考える人も少なくありません。そんな恨みの念を向けられた時には、大きな不幸を受けることになりかねません。自分自身の内側に呪いの感情を育てないこと、そして、誰かから呪いの念を向けられてもそれを跳ね返すことができるよう心を磨くこと、これらが非常に恐ろしい負のパワーを持つ呪いの念に対抗する手段として効果的です。