霊視

霊視のイメージ

霊視とは文字通り、霊と霊界の様相を映像として見ることができる能力のことです。超感覚の源泉である霊感を視覚として捉え、霊界の様子はもちろん、人や事物の状況などについても時間と空間を超越したビジョンとして知覚します。

歴史上の有名な霊視能力者というと、まず思い浮かぶのは、エマニュエル・スウェーデンボルグ()の存在です。彼はスウェーデンの自然学者にして宗教家、神秘哲学家でもあった偉大な人物で、ウプサラ大学で言語学、数学、鉱物学、地質学、冶金学、生理学、天文学、神学などを学んだ後、ヨーロッパ各地を放浪してさらなる知識の習得に努め、故国スウェーデンに帰国した後は多くの優れた科学論文を発表。その功績により貴族に列せられました。そんな優秀な科学者であったにもかかわらず五十代の半ばから霊界に関する著述活動を開始し、自ら霊視した霊界の諸相を書物にまとめ上げました。そのうちの代表作である『天界と地獄』は邦訳もされており、現在でも手軽に読むことができます。

そんな彼には有名な霊視エピソードがあります。1759年7月19日に友人の家に滞在していたとき、その場所から500㎞も離れたストックホルムの大火災の様子を霊視したのです。火事の状況は細部に至るまでスウェーデンボルグの霊視と見事に合致していました。この事実については同時代のドイツの哲学者であるカントも肯定的な意見を残しています。

霊視を行う場合、多くの霊能者は目を閉じることによって肉体的な視覚を遮断します。すると、瞼の裏に自分が見たいと思う状況の映像が次第に浮かび上がってくるのです。このときの映像の正確性や鮮明度は、霊視を行う霊能者の能力レベルに応じて違ってきます。以下にレベル差による見え方の違いを簡単に記します。この部分の記述については「エーテル体とアストラル体」の項も参考にしてください。

能力の低い霊能者の場合……

基本的には肉体に重なって外部へ広がるエーテル体(オーラ)しか見えない。したがって人の感情や健康状態などはかろうじて分かるが、時空を越えてその人の隠された状況などを見ることはできない。もちろん霊界(アストラル界)に関与することもできないため、具体的な霊界の様相なども見られない。仮に外部的条件が重なってそれらのものを見ることができた場合でも、映像は不鮮明で睡眠中の夢のようにぼんやりとして不合理なイメージとなることが多い。地縛霊浮遊霊動物霊などの低級霊と波長が合いやすいため、これらの霊体を目撃しやすく、ときに霊能者自身が憑依されてしまうこともある。

中程度の能力を持つ霊能者の場合……

一応はアストラル視力を有しており、霊界次元まで霊視することができる。映像はある程度鮮明で人や事物の状況なども見ることができるが、ときに霊的なノイズまで拾ってしまうこともあり、霊視内容の正確性に欠けるところがある。的中率で言えば70%~80%くらい。また霊界の諸相を霊視する場合も、亡くなって間もない死者が滞留している幽界や先祖霊などが多くいる低~中級霊界の領域しか見られないことが多い。

高度な能力を持つ霊能者の場合……

アストラル視力が十分に開眼しており、ときには高級霊界の領域まで霊視できることもある。霊格の高い人霊を初め、神霊や自然精霊、龍神霊などの高級霊界の存在の姿もはっきりと見える。映像は極めて鮮明で、時空を越えた様々な出来事や特定の人物の状況を詳細かつ正確に見ることができる。強靱な集中力と意志力によって霊的ノイズを除去する手法にも習熟しているので、霊視によってもたらされた情報に誤った部分はほとんどなく、常に95%~100%の的中率を誇る。ただし、ここまで優秀な霊視能力者の数はきわめて少ない。