エーテル体とアストラル体

エーテル体とアストラル体のイメージ

エーテル体、アストラル体ともに霊的質料をあらわす言葉です。

エーテル体(幽体)とは人間の霊体を形成する粒子の中で一番レベルの低いもので、肉体と不可分に密着しており、肉体が生存・活動していく際にその機能のバランスを保ったり、宇宙エネルギー(気・プラーナ)を体内へ取り込むチャンネルとなったりするなどの役割を果たしています。霊眼では多色の発光体としても見ることができ、一般に言われるオーラはこのエーテル体のことを指しています。

人間が死を迎えるとエーテル体も自動的に消滅しますが、通常60日前後は残存し続け、その間、人は物質界と幽界のはざまで崩壊していくエーテル体をまとった中間的な霊体(幽霊)として存在することになります。その間は生前に自分がいた物質界に半ば足を突っ込んだ形で留まるため、ときにはそこへ関与して物理現象を引き起こすことも可能です。幽霊の目撃やポルターガイストなどの心霊現象が起きるのは多くの場合、こうした期間にいるエーテル体霊の仕業です。

なお仏教ではエーテル体の崩壊期間を「四十九日」と定めており、死去から49日目に法要を開いて成仏(幽界・霊界へ完全移行)したと見なします。

いっぽうアストラル体とは幽界および低~高位の霊界を構成している霊的粒子のエネルギーのことです。別名、星幽体とも呼ばれます。エーテル体の上からすっぽりと肉体を取り巻く形で存在しており、主に感情と欲望を司る質料とされています。人間が物質界の生を離れて幽界や霊界へと移行したとき、その肉体の外皮はこのアストラル体によって形成されることになります。

ちなみに古代秘教の集大成とも言える神智学の教典によれば、人間の身体は肉体・エーテル体・アストラル体(感情体)・メンタル体(精神体)・コーザル体(思考体)・ブッディ体・アートマ体・モナド体の八層から成っていると説かれています。このうち、エーテル体は肉体とほぼ重なって存在しており、アストラル体、メンタル体、コーザル体の各体はその上部に順次、層を形成して広がっています。一方、ブッディ体、アートマ体、モナド体は人間の真我(魂)を形成する質料であり、肉体の内部に眠っている状態で存在します。

霊能者霊視を行う際に問題となるのは、人間の霊的質料のうちどのレベルのものを見ているのかということです。エーテル体(オーラ)のレベルしか見えない霊能者では、その人の感情や健康状態などはかろうじて分かりますが、深い部分での気持ちまで具体的に読み取ることはできません。人の気持ちや欲望・意欲を正確に読み取るにはアストラル体のレベルまで霊視することが必須となります。アストラル体が見えるということは、すなわち幽界や霊界の状況自体を読み取れるということでもあり、霊能者としての能力もそれだけ高いということです。

亡くなった人が幽界や霊界でどんな生活を送っているか、人の隠された気持ちとその具体的内容、前世や過去世の状況などを見ることができるのは、アストラル視力を有した霊能者に限られます。