超能力

超能力とは

超能力のイメージ

超能力とは、普通の人間では不可能だとされることを可能にできる、未知の能力のことです。現在の科学では解明できない、超自然的な能力だといえます。一説では、超能力はすべての人間に存在する潜在的なパワーであり、キッカケさえあれば誰でも超能力者になる素質があるとされています。それを証明するように、大きな事故を経験して意識を失った人や、昏睡状態に陥った後に超能力に目覚めたという人もいるのです。

超能力の種類

超能力の種類について紹介します。アニメの世界のような話ですが、世界中で記録や証言があることも事実です。

予知

未来の出来事を事前に知ることです。この力を予知能力といいます。経験や情報に基づく予測とは違い、到底知りえないはずの未来やその断片をあらかじめ知ることを指します。

透視

何らかの障害で完全に見えない物を、物質を突き抜けたように見ることです。日本では、千里眼とも呼ばれています。封筒に入ったカードの柄を見透かすという近距離の透視から、肉眼では視ることができない遠くの様子を見る遠距離の透視まであります。遠距離の透視は「遠隔透視」とも言います。

テレパシー

言語、表情、動作、道具などの表現方法を使わずに、心の内やイメージなどを人に伝えることです。もちろん、反対に相手の心の内やイメージを感じ取ることもテレパシーとされています。

念力

念じることによって、触れることなく物体を動かす力のことです。スプーン曲げもこれにあたります。

念写

本来は撮影されていないものを、念じる力によって写真画像として映し出すことです

サイコメトリー

特定の人物の持ち物に触れて、物体に残る人の思念や記憶を読み取ることです。

瞬間移動

物質、もしくは人間が、一瞬で離れた場所や異次元の空間へと移動することです。テレポーテーションとも呼ばれます。

パイロキネシス

火を発生させる能力のことです。無意識に発火させてしまう能力者もいれば、意識的に発火できる能力者もいるとされています。

超能力の歴史

日本では、20世紀初頭に東京帝国大学文学部の福来友吉教授と、大学教授で医師でもあった今村新吉博士によって、「千里眼」で有名だった御舟千鶴子や長尾郁子らの透視実験を度々行いました。確かな透視能力を持っているように見えた2人でしたが、注目を浴びれば浴びるほど疑惑や非難の目にさらされることに。やがて、透視能力の存在自体を否定する声が大きくなっていったのでした。これから紹介する一連の騒動は「千里眼事件」と呼ばれています。

御舟千鶴子

千鶴子は透視能力で病気の治療をしたり、相談を受けたりしていて評判となり、福来と今村の目にとまったと言われています。彼らは千鶴子に、厳重に封印されたカードを読み取らせる実験を行っていました。高い的中率を誇ったこの実験は大変な話題となり、大勢の科学者や記者を集めて公開実験まで行われました。しかし、千鶴子は同席者がいると気が散ってしまうため、実験中は1人で集中して透視を行うスタイルをとっていたことで怪しまれるようになります。疑惑の目は次第に強まり、千鶴子は詐欺師とまで言われるようになったのです。明治44年1月19日、鶴子は自ら命を絶ちました。当たれば疑われ、外せば責められるという状態に耐えかねたことが原因だと言われています。

長尾郁子

千鶴子の能力が話題となった頃、福来らは透視能力を持つと新聞で報じられていた郁子にも声をかけ、実験を始めました。透視能力は千鶴子より劣る結果だった郁子でしたが、透視実験を繰り返す中で思わぬことが起きます。まだ一般的にカメラが普及していない頃、写真撮影には「写真乾板」というガラス板がフィルムとして使われていました。その写真乾板を使い、「未現像の乾板を透視してその結果を答えてから現像する」実験をしたところ、乾板が感光していることがわかったのです。福来はこれを念写と名付けました。その後、念写の精度を高めた郁子でしたが、千鶴子と共に世間のバッシングに遭い、実験を拒否するようになったと言われています。そして、千鶴子が自殺した翌月、郁子も病によって死亡したのです。

超能力ブーム

1970年~80年代、日本では心霊やUFO、超常現象などがブームとなりました。中でも、超能力者を名乗るユリ・ゲラーが披露したスプーン曲げは大きな話題に。ユリ・ゲラーと共にテレビの前でスプーンを持って曲がれ曲がれと念じ、実際に曲がったという少年少女も続出しました。しかし、このときも超能力者に対してトリックを疑う声が強まり、少しずつブームは落ち着くこととなりました。

超能力者による警察への調査協力

海外では「FBI超能力捜査官」が未解決事件解決のため、警察と協力しているイメージがあります。そのため、日本より超能力に肯定的なイメージです。しかし実際は、被害者の家族が超能力者を連れてきた場合に意見を聞く程度だと言われています。実際、超能力捜査官という役職も存在しません。ただ、超能力者の捜査協力によって事件が解決したという話の中には、信憑性の高いものも存在します。超能力者の情報提供による証拠の場合、懐疑的な視線を向ける人も多いため、あまり公にされていないのでは?という見方もされています。

超能力はいつの時代も話題の的となり、後に疑惑の目を向けられてきました。人間は説明できないことを目の当たりにすると恐ろしくなり、一斉に攻撃してしまうところがあるのかもしれません。しかし超能力は、誰にでも眠っている力だと言われています。例えば何かしらの天変地異によって大勢が超能力に目覚め、持っていて当たり前の能力になる日がくるかもしれません。